青山学院記念館(渋谷区渋谷4)で3月17日、サンロッカーズ渋谷(以下、SR渋谷)とシーホース三河(同、三河)が対戦した。観客数は3209人。
2節ぶりのホームとなったSR渋谷。ブランデン・ドーソン選手に替わり2月28日に入団したルーベン・ボイキン選手がホームアリーナデビューを果たした。「(入団当初)はかなりワクワクして上手くいかないところもあったが、徐々に自分のやるべきところが明確になってきた」と言い、チームメートのロバート・サクレ選手やジョシュ・ハレルソン選手の「足を休めること」を1つの役割として「コートに出たらとにかくハードにプレーすること」を心掛けているという。
この日は第2クオーター(Q)に2本、最終Qに1本と4本中3本の高確率で3ポイント(P)シュートを決めた。「日々の練習の中でロブ(=サクレ選手)やジョシュとシュートに取り組んでいる。コーチから常にシュートの準備をすることを言われているので、今日はきちんとできたのでは」と振り返った。ベンチに控えている時は仲間のプレーに立ち上がって拍手を送ったり声をかけたりする姿が印象的で、「今まではプレータイム長かったのであまり機会は無かったが、今は役割が変わってきているので、チームがエナジーを出せるように声を出すこと積極的にやっていきたい」とも。
B2チームからB1チームへの移籍に「ファンの多さが違うし、選手のターンオーバーの数やシュートミスが少ない」と相違点を挙げた。初となったSR渋谷のホームアリーナには「ファンの声援や会場の雰囲気が素晴らしかった」と笑顔を浮かべ、SR渋谷のファンには「『ルー』と呼んでほしい」と呼び掛けた。
試合は、「考えすぎて相手のバスケに合わせてしまった」(広瀬健太選手)とここ最近の課題である出だしを修正できず第1Qから10点差以上を付けられる展開。第2Qは「体を張ってアグレッシブにやることを考えて入った」という広瀬選手が序盤に連続3Pを決めたほか、相手のパスに手を出したり三河・金丸晃輔(こうすけ)選手をブロックショット(シュートブロック)したりチームを盛り立てると、チームでリバウンドを積極的に取りに行き粘りを見せ同Qは19対12と三河を上回った。
後半序盤はオフェンスリバウンドからのセカンドチャンスやスチール(攻撃中の相手からボールを奪うプレー)などで3連続得点を挙げる上々な流れで試合に入るも、三河にリバウンドを取られる本数が増えていき、最終Qは得点力の高い三河を抑えることができず61対74で敗れた。
勝久ジェフリーヘッドコーチ(HC)が「特にダメージが多かった」と振り返ったのは後半のリバウンドが取れなかった点。三河のフィードゴールを39.4%に抑えたが「オフェンス力を持っているチームをこれ以上抑えることは難しいので、タフショットを打たせた後リバウンドを取らないとチャンスは無い」と話す。オフェンス面については「オープンショットは作れていたので後は決めきるだけ」と手ごたえをうかがわせた。第2・第3Qには2点差まで追いつくことができたものの同点・逆転には至らなかった。「すぐに追いつこう、逆転しようと急いでしまう。我慢強く、粘り強くやることが必要」と話した。
古巣との戦いとなった長谷川智也選手は「いつもと同じ試合という感じで臨んだが、個人的には楽しむことも忘れずに試合に入った」という。「ノーマークも作れていたし相手のディフェンスを崩せたのは間違いないが、(シュートを)決めきれていたらもう少しいい試合ができただろうし勝てたかもしれない」と悔しさをにじませ、「そこが相手(三河)との差だし、こぼれ球を押し込んでくるシュートもあるので、見習って真似するじゃないけれどそうすれば勝てる。戦えるというのは証明できているので、明日は絶対勝つ」と力強く宣言した。
この日はリバウンドから走る場面も多く見られた。広瀬選手は「三河があんまり早いチームじゃないので、そこをもう少し出せるとうちのペースになるのでは」と光明を見出す。7連敗という厳しい状況に「みんな危機感を持ってやっている。1勝することでうまく好転していくと思うので、どんな形でも、泥臭くて良いのでまずは勝つことが大事」と話した。
両チームは18日も同所で戦う。