サンロッカーズ渋谷(以下SR渋谷)と琉球ゴールデンキングス(同琉球)が2月17日、青山学院記念館(渋谷区渋谷4)で対戦した。前日に次ぐ試合となったこの日はチケットが完売したため当日に立ち見券を販売し、3245人を集めた。
bjリーグ時代から数えて6シーズン琉球に所属し、今季SR渋谷に移籍した山内盛久選手。この日はスターティングで出場し、チーム初得点となるジャンプショットを決めたが、ターンオーバーをしてしまったことや伊藤駿(たかし)選手が好調だったこともあり後半はあまりプレータイムを得ることができなかった。古巣を迎え「気合が入っていたが空回りしてしまった」と言い、「安易なパスやミスが相手に流れを持っていくきっかけを作ってしまった」と悔しさをにじませた。
仲良しであり良きライバルである琉球・岸本隆一選手とマッチアップする場面も見られた。「高校からマッチアップしていて苦手な選手だったが、スキルも判断力もアップしていて自分としてはやりづらい選手」としながらも、「やられたらやり返したいという気持ちになったし、変な言い方だが、この2日間楽しかった」と振り返る。琉球ファンからも上がった多くの声援に「他チームに移ったが、ここまで足を運んでくれて応援して下さった。もっと良いプレーを見せられたらと思っていたので次回に持ち越したい」とも。
岸本選手は「(山内選手を)意識しないということは無理。やっている時は山内ではないつもりでやっているが、彼にも良いプレーしてほしいし…こういうのを複雑って言うんだろうな、と思った」と振り返る。「彼のディフェンスは特徴の一つ。気を抜かずにやったが、本当に仲が良いので、あまりガツガツ行って嫌われないように、というのも頭にあった」と笑う。「元々バスケIQが高いし、それを試合で実行できる選手。プレータイムも得られていて、より良さが発揮されている」とも。
試合ではベンドラメ礼生選手が23得点を挙げる活躍を見せた。前節レバンガ北海道戦の1日目で腰を痛め、この1週間練習ができていなかったというが、前日の試合を経て「体も慣れて気持ちよく動けていた」というこの日。第1クオーター(Q)で途中出場すると、ブザービーターとなるロングレンジの3ポイント(P)シュートを決めるなど存在感をアピール。最終Qには、ドライブ(ドリブルで相手を抜くプレー)からジョシュ・ハレルソン選手のシュートをアシストしたり、長谷川智也選手のドライブに合わせてゴール下に飛び込み得点を挙げたり、残り29秒8点ビハインドの場面でタフな3ポイント(P)シュートを決めたりするなど最後まで戦う姿勢を見せた。
第2Qにはセットプレーで空いたゴール下に飛び込み得点を挙げるプレーを見せた。「練習しているわけではないが常に狙っている」と言い、同様のシュートは伊藤駿(たかし)選手も決めており、「何回もやることで、裏を突くオフェンスというのが根付いてきたのかな」と手応えをうかがわせた。同窓の先輩である琉球・須田侑太郎選手とマッチアップしていたが、「あれだけしつこくディフェンスされると嫌だが、プレッシャーをかけられると縦のドライブがしやすい。ファウルもらえたし良かったのでは」とも。
試合は、5点を追う展開で迎えた第2Qで逆転し、46対39とリードを奪い前半を折り返す。第3Q序盤は両チームの堅守が見られたが、中盤で同点に追いつかれると連続得点を許し、ビハインドを負う展開になり、77対84で連敗を喫した。
勝久ジェフリーヘッドコーチは「前半のオフェンスができすぎていて、ディフェンスでやりたいことができていなかった。35点取られたのは多すぎるという話はしたが、第3Qでアイラ(・ブラウン)選手と古川(孝敏)選手を抑えきれずに、チームとしてその2人をチームとして乗せてしまったところで、修正が難しい後半だった」としながらも、「昨日よりはエネルギッシュにプレーできた。気持ちの部分やハードにプレーする部分、100%出し切るという意味では一歩前進できた。あとはチームとして上達するだけ」と一定の評価を示した。
SR渋谷は、千葉ジェッツ、アルバルク東京とアウェーで戦った後、3月17日・18日に長谷川選手の古巣であるシーホース三河とのホーム戦を行う。