東急電鉄、新社長に高橋和夫専務 野本弘文社長は会長へ

社長交代記者発表。右から東急電鉄・野本社長、高橋専務(新社長)

社長交代記者発表。右から東急電鉄・野本社長、高橋専務(新社長)

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 東京急行電鉄(東急電鉄、渋谷区南平台町)は2月8日、高橋和夫取締役専務執行役員を社長に昇格する人事異動を発表した。野本弘文社長は代表権のある会長に就任する。

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 2011年に就任した野本社長は「日本一住みたい沿線」「日本一訪れたい街 渋谷」「日本一働きたい街 二子玉川」の実現を中長期ビジョンに掲げ、7年間にわたり成長政策を進めてきた。中でも2012年開業の「渋谷ヒカリエ」、2013年の東横線と副都心線の相互直通運転開始など渋谷駅周辺の大規模再開発や、2015年開業の「二子玉川ライズ」など二子玉川エリアの再開発等に力を注いできた。

 今回の社長交代の理由について、野本社長は「昨年70歳になって節目を迎えたこと」と「当初掲げた3つのビジョンを概ね実現できたこと」を挙げた。さらに「ビジョンを構想してそれを社員に伝えて一緒に進めていく力、いろいろな意見がある中で正しい判断をして実行する力、さらにリスクに対する対応力があること」から高橋専務を新社長に指名した理由要件を明かし、「その3つの力を兼ね備え、冷静でバランスの取れた人物」と評価する。2022年には創業100周年を控え、来期からスタートする新たな中長期計画の策定を、すでに高橋専務中心に進めているという。

 高橋専務は1957(昭和32)年生まれで、野本社長よりも10歳若い60歳。1980(昭和55)年に一橋大学卒業後、同社に入社。交通事業の統括部門を担当し、1991年にバス部門の分社化に伴い東急バスに出向。2015年に東急電鉄の経営企画室長に就任し中長期計画の策定・実現に携わる一方で、仙台空港民営化事業の運営権獲得を指揮するなど、新規ビジネスの開拓にも尽力してきた。

 就任に向け、高橋専務は「事業は連続性・継続性を持ってやっており、今回の計画(=来季からスタートする中長期計画)はホップ、ステップ、ジャンプの9年間の中の、ジャンプ部分の3年目に該当する。野本社長が築き上げてきたホップ、ステップに続くため、飛び損ねないようにしっかりとジャンプしていきたい」と抱負を語った。さらに長期戦略として「今後も沿線に軸足を置くが、だんだんと沿線も人口が減っているので、弊社のビジネスモデルが通用するところであれば地方や海外へも進出していきたい」と沿線以外での事業展開も進めていく姿勢を示した。

 就任予定日は4月1日。

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