国学院大学(渋谷区東4)で1月20日、「成人加冠式」が行われた。
平安時代の貴族社会の成人儀礼にのっとり新成人を祝う同行事は、「国学院大学ならではの行事で成人を祝いたい」という学生の発案で2007年に始まり、神職の養成を目的にしている同大神道文学部主催で毎年1月に行っている。今年は同学部を中心とした新成人の男子20人、女子26人の計46人の学生が、卒業生の神主たちから寄付された衣冠や狩衣(以上男子)、斎服や正服(同女子)などの装束姿で参列した。
式の中心となる「加冠之儀」では、加冠役である教職員が学生の頭部に冠や烏帽子(えぼし、以上男子)、釵子(さいし)や額当(ぬかあて、同女子)をと呼ばれる装飾具を着装し、学生たちは成人の装束を完全に身にまとった姿となった。武田秀章同学部長の祝辞、代表学生による答辞の後、学生たちは校内の神殿に移動し誓詞を奏上し玉串を拝礼した。「祝賀之儀」では、ボランティアの在学生たちによる振鉾(えんぶ)、浦安の舞などが披露された。
「入学前から式があることを知っていたので楽しみにしていた」という同学部の山田夏生(なつき)さん。「地元の成人式に出席することできなかったが、大学の皆さんに祝っていただけて本当にうれしい」と喜びを表現し、「神職を目指し残り2年間努力したい」と意欲を見せた。
中村京(みやこ)さんは「神職を目指しているので伝統文化をこの身で体感したい」と参加したという。「神前でこんなきれいな盛装をすることはめったにできることではないので、大変光栄でうれしい」と笑顔を浮かべた。
同学部茂木貞純教授は「形は変わったが成人式は今も行われている。その中で伝統にのっとって行うことで(当時に)思いをはせることができる」と話し、新成人の学生たちに「自覚と責任、神職にふさわしい真心を持った大人になってほしい」と期待を込めた。
同行事は今後も続けていく予定。