昨年の全日本インカレで優勝した青山学院大学(渋谷区渋谷4)の女子バレーボール部が1月10日、長谷部健渋谷区長を表敬訪問した。
昨年11月~12月にかけて行われた全日本インカレ(第64回秩父宮賜杯全日本バレーボール大学女子選手権大会)で9年ぶり5度目の優勝を果たした同部。この日は、同部4年生8人と平澤典男部長、秋山美幸監督、監督として同部を50年率い、昨年度はコーチを務めた生瀬良造さんらがトロフィーなどを手に区庁舎を訪れた。
全国9ブロックから64校が参加した同大会。ノーシードで出場した同大は、3回戦までストレート勝ちするなど順調に勝ち上がり迎えた決勝の相手は第4シードの筑波大学。第1セットを14対25の大差で奪われる滑り出しとなるも、「ボールが落ちるまでは終わらない」と粘り強く拾い続ける守備力を見せ、フルセットで勝利を収めた。
平澤部長は個人賞に筑波大の5選手が選ばれていることに触れ、「筑波大は個々の能力が高い選手が集まっている。本学は全員の力で拾ってつないで、最後には勝利を勝ち取るのが特徴。大会で目の当たりして感動した」と振り返り、生瀬さんも「スポーツは精神力が8割。最後笑って終わろうと戦い栄光を勝ち取ってくれた」と選手たちを誇った。
秋山監督は、就任1年目ということもあり「プレッシャーもあった」というが、自身も在学中に同大会優勝を2度の経験していることから「(優勝は)特別なもので得られるものも多いので勝たせてあげたかった」と振り返る。加えて、恩師でもある生瀬さんを「胴上げする」ことを目標に1年やってきたことから「最後に実現できた」と喜んだ。
長谷部区長は「日本一本当におめでとうございます。素晴らしい」とたたえ、「渋谷区の名前を広めていく上で、皆さんがこのまちで生き生きと活躍することは良いこと。応援させていただく」と激励。「連覇して、センター街をパレードしてほしい」と期待を込めた。中学生の時にバレー部に所属していたこともあってか、選手たちに「小学生のころからバレーをしているのか」「週何日練習しているのか」などさまざまな質問を投げ掛けていた。
同大会の最優秀選手に選ばれた主将の比金(ひがね)みなみさんは「目指してきたバレーをすれば勝てる自信はあった。磨いてきた粘り強さとチーム力を最後に発揮できた」ことを勝因に挙げ、「4年間目指していたタイトルを取れて良かった」と改めて喜びを表現。同大は箱根駅伝で4連覇を果たした陸上部の知名度が高いが「(全日本インカレは)大学の大会の中では一番大きな大会で、皆が優勝を目指している。駅伝に負けないよう一緒に盛り上げていければ」と期待を込める。
大学がある渋谷には「中学のころにも遊びに来ていた思い出のある街」だという。大学では週6日練習をしていたが「時間を見つけて(街に)足を運んだ。部活を通して多くのことを学んだので、青学や渋谷には感謝している」と4年間を振り返る。卒業後はプレミアリーグ(Vリーグ)「久光製薬スプリングス」への入団が決まっており、「高みを目指して頑張りたい」と展望した。
レギュラー7人中5人が4年生だったことから今年は大きくチームが変わる同部。秋山監督は「(他大は)打倒青学で来ると思うが、優勝チームとしての振る舞いやプライドは持ちつつ、目の前の課題を一つずつ克服して、ご褒美としてまた優勝できれば」と話した。