Bunkamuraシアタコクーン(渋谷区道玄坂2)で1月6日、舞台「プルートゥ PLUTO」が開幕した。
2003年~2009年に「ビックコミックオリジナル」(小学館)で連載していた同名漫画が原作の同舞台。「プルートゥ」は、手塚治虫作「鉄腕アトム」のに含まれる「地球最大のロボット」を、「20世紀少年」などで知られる漫画家・浦沢直樹さんが、ストーリー共同製作者の漫画原作者・長崎尚志さんと共にリメークした作品で、単行本は850万部以上を売り上げているほか、20の言語に翻訳されている。
2015年以来3年ぶりとなる舞台公演は、手塚治虫生誕90周年記念企画として行う。前回同様、俳優でダンサーの森山未來さんがアトム役で主演するほか、柄本明さん(天馬博士役)、吉見一豊さん(お茶の水博士役)に加えて、大東駿介さん(ゲジヒト役)、吹越満さん(アブラー役)が新キャストとして出演。舞台初出演の土屋太鳳さんは、ウランとヘレナの2役を演じる。演出・振り付けはベルギーのシディ・ラルビ・シェルカウイさんが引き続き担当し、構成や演出などを新たに構築した。
3年ぶりの上演となる同舞台を「再演というより再構築してブラッシュアップしている」と言う森山さん。「3年の間に世界でいろいろなことが起き、混沌(こんとん)が近寄ってきている中でこの本(台本)を読むとさらに突き刺さるものがあった」と振り返る。シェルカウイさんも「世の中が変わったことで響くことが変わるのでは」と話す。今回はイギリスやベルギーなど欧州での公演も決まっていおり、「『人間であるとは何か』という世界共通の普遍のテーマを楽しんでもらいたい。言葉の垣根を越えてひとをつなぐ作品になれば」と期待を込めた。
前回に引き続き特別出演する「Pepper」について、シェルカウイさんは「成長したこと、演技力のアップがすごい」と絶賛。同じシーンに出演する森山さんも「体の動きのボキャブラリーがすごく増えている」と驚いた様子で、「こっち(アトムたち)の方が高性能ロボット。どっちが勝てるか競争していきたい」と対抗心を燃やしていた。
土屋さんは初出演となる舞台を「すごい…宇宙です」と表現し、「自分の人生で大切な節目になるだろうと感じている。その実感をしっかりかみしめながら頑張っていきたい」と意気込む。
上演時間は3時間(途中休憩含む)。鑑賞料は、S席=1万1,000円、A席=8,500円ほか。今月28日まで(全27公演、Pepperの出演は6日夜と17日昼・夜の3公演)。