渋谷区、同性カップル「パートナーシップ証明書」交付2年 24組が取得

「渋谷区パートナーシップ証明」交付開始2年を報告した長谷部健渋谷区長(前列中央右)ら

「渋谷区パートナーシップ証明」交付開始2年を報告した長谷部健渋谷区長(前列中央右)ら

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 戸籍上同性カップルに男女の婚姻関係に相当する関係を認める渋谷区の「パートナーシップ証明」が11月5日、交付開始から2年を迎えた。

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 「同性パートナーシップ条約(正式名称=渋谷区男女平等等及び多様性を尊重する社会を推進する条例)」に基づく証明書として、2015年から発行しているもの。現在では、同区のほかにも世田谷や沖縄・那覇、北海道・札幌など全国5自治体が同性パートナーを認知する制度を導入しており、11月1日現在、同様の制度を利用している戸籍上同性のカップルは全国で133組に上るという。

 今回区では、「正しい理解が広まっているとは言いがたい」状況であると判断し、NPO法人や学術研究者と共に、同証明書取得者や検討者(16人)、同性パートナーにも配偶者や家族を対象にした福利厚生やサービスなどを適用した企業(10社)担当者にインタビューし、同制度に関する実態の把握を図った。

 各自治体の中でも渋谷区は唯一条例を根拠に、公正証書に基づく書類(証明書)を発行している。そのため法的効力があるが、公正証書作成(区のモデルで約5万円)などに費用がかかり、発行まで約1週間を要する。当初区では費用がネックになると考えていたが、取得者からは納得を得られているものの、今後費用がハードルとなる可能性にも指摘があった。公正証書のひな型や手引きを区のホームページで掲載しているが、弁護士や行政書士など専門家へ相談した人も多く、作成支援のニーズもうかがえた。

 渋谷区での交付状況は24組(11月1日時点)で、条例制定後同区に転入したカップルは11組。年齢分布(9月1日時点)は、20代=7人、30代=21人、40代=13人、50代=4人、60代=2人、70代=1人と幅広く、戸籍上男性の取得者が多い傾向にある。証明書は、生命保険の受取人指定や病院での提示、携帯電話や飛行機のマイルなど家族向け割引サービスの適用などに活用しているという。一方で、区外へ引っ越す際には返納する必要があることへの心配の声も挙がった(現状で返納者は0人)。

 長谷部健渋谷区長は「(交付数が)順調に推移していることは評価をしても良いのでは」としつつ、「同性婚が認められればこの制度は必要なくなる。そのために何ができるか」と話す。「アライ(英語のAlly=同盟・支援者が語源で、性的マイノリティー理解・支援者のことを指す)の人をどう増やすかということ、思春期で悩む人たちへの取り組みを重点的にやる必要性を感じている」とも。

 調査結果は区のホームページで公表する予定。

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