渋谷区が11月4日、LINEのAI(人工知能)会話アカウント「渋谷みらい」を開設した。代々木公園などを会場に4日・5日に開かれている「ふるさと渋谷フェスティバル」内で同日、長谷部健渋谷区長らが登壇して発表した。
「ちがいを ちからに 変える街。渋谷区」を未来像とする、今後20年の区政の方向性をまとめた「渋谷区基本構想」を昨年策定した同区。その内容を周知するためのキャンペーン「YOU MAKE SHIBUYA」の一環。
AIアカウントは日本マイクロソフト(港区)と共同で開発。同社が開発した、感情的なつながりを重視するAI「りんな」の技術を応用し、各機能に渋谷区に関するデータを取り入れることでキャラクターを表現する。
アカウント名の「渋谷みらい」は、7歳(小学1年生)の「少々おませな男の子」というキャラクター設定。「特に渋谷区に関する話題に精通している」のが特技で、LINEで「友だち」になったユーザーが渋谷に関することを話しかけることでやりとりを行うほか、トークを通じて成長していくという。他に、しりとりなどのゲームや絵を描くこと、ユーザーが送った画像をモヤイ像風にアレンジするなどの特技もある。さらに、アンケート機能も備えており、試行的に行ったアンケートから得られたワードなどもステージで紹介した。
区は同日、「渋谷みらい」へ特別住民票も交付。AIキャラクターへの自治体からの住民票交付は日本初だという。顔の表情は、区主催のイベントで撮影した区民の顔を合成することで作られており、今後も成長、変化していく。
区内の公立小中学校に通う児童・生徒に1人1台のタブレット端末を貸与する取り組みを9月に始めた渋谷区。長谷部区長は「子どもたちがどんどんLINEアカウントで会話をしていくことで(AIキャラクターが)成長していく。子どもたちが何を考えているか、どんな夢を持っているか――そうしたことが区民と共有できれば」と期待を寄せる。