若手美術家を対象とするアートアワード「第4回CAF賞入賞作品展覧会」が10月31日、代官山ヒルサイドフォーラム(渋谷区猿楽町)で始まった。主催は現代芸術振興財団(港区)。
2012年、ファッションショッピングサイト「ZOZOTOWN(ゾゾタウン)」を運営するスタートトゥデイ(千葉県千葉市)の前澤友作社長によって設立された同財団。現代美術に関する知識向上や、美術家を志す学生の育成・支援を目的として同アワードを2014年に始めた。「学生」であれば、年齢や国籍、キャリアなどを問わず、間口が広く敷居が低いのが特徴。
4回目を迎えた今年は8月末で公募を締め切り、集まった数百点の応募作品の中から26作品(計16人)の入賞が決まった。主な入賞作品は、MA JIAHAOさん(多摩美術大学)=無数の小さな人形で構成される大型作品「AI交差点に生きる」、安井鷹之介さん(東京芸術大学)=彫刻「What is your true happiness?」、綿貫岳海さん(情報科学芸術大学院大学)=手の中でデジタルデバイスを規則的に操作するインスタレーション「node hands」など。絵画や彫刻、映像、インスタレーションと幅広いジャンルの作品を展示している。
11月3日には、SCAI THE BATHHOUSEの白石正美さん、ライゾマティクスの齋藤精一社長、東京都現代美術館学芸員の藪前知子さんが審査員を務め、最終優秀賞(賞金100万円)などの各賞受賞作品が決定する。
展覧会に合わせ、同財団の前澤会長が所有するアートコレクションを紹介する特別展示も同時開催。出品アーティストは、アメリカの現代美術を代表するクリストファー・ウール、マーク・グロットヤン、ジャン=ミシェル・バスキア、アンディ・ウォーホルによる計5作品。中でもバスキアによる作品「Untitled」は、今年5月に行われた米ニューヨークのオークションで前澤会長がバスキア作品として史上最高額となる約123億円で落札し大きな話題を集めた。落札後、国内公開は初めて。
今回のバスキア作品公開の理由について、同財団の深井厚志さんは「(前澤会長の考えでもあるが)話題作りとしてバスキア作品で人を呼び、なるべく多くの人々にまだ無名の若いアーティストたちの作品を見てほしい。そして、いろいろなチャンスが生まれる場になってほしい」と来場を呼び掛ける。
開催時間は11時~19時(最終日のみ17時閉場)。入場無料。会場内は撮影可。公開は今月5日まで。