渋谷区、日本財団と協定締結 子どもの体験型学習、オリ・パラ体験機会創出など

協定を締結した(左から)長谷部健渋谷区長と日本財団笹川陽平会長

協定を締結した(左から)長谷部健渋谷区長と日本財団笹川陽平会長

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 渋谷区と日本財団(港区)が10月31日、ソーシャルイノベーションに関する包括連携協定を締結し、「日本財団渋谷プロジェクト」の始動を発表した。

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 「ちがいを ちからに 変える街。」を未来像に新たな基本構想を策定した区と、「みんながみんなを支える社会」の実現を目指す同財団。同じ方向性のビジョンを持っている両者が協定を締結することで、社会課題を「未来志向」で解決する取り組みや、渋谷から文化・芸術などの育成と世界への発信を目指すという。

 「日本財団渋谷プロジェクト」は、渋谷の街を舞台に、これからの社会を作る小学3年~中学3年をコアとした子ども・若者世代をターゲットにした参加型のイベントを展開し、「多様な個性を伸ばす」機会を提供する取り組み。区は場所と人を集める仕組みの提供、同財団は補助金を含めた経済的支援と世界中のネットワークを生かした活動の場を与えていく予定。

 現在、両者が展開する事業を整理することを中心に4つの企画の具体化を推進している。「クリエーティブ キッズ プロジェクト」は、さまざまな事業者やクリエーター、デザイナー、ミュージシャンなど街の資産を活用し、触れて学ぶことで子どもたちの興味を刺激し、将来の夢の選択肢を増やすことを図る。

 スパイラル(港区南青山5)で開催していた企画展「ミュージアム・オブ・トゥギャザー」(今月13日~31日)や、11月7日~15日に初開催される「ダイブ ダイバーシティ―サミット渋谷」など、区と同財団は現在、ダイバーシティ―やソーシャルイノベーションをキーワードにしたプロジェクトをそれぞれ展開している。今回の協定締結を機に、来年以降は「ダイバーシティーフェスティバル」として集約し、障がい者・健常者関係なく参加できる都市型フェスティバルを目指す。

 2020年の東京五輪・パラリンピックで5種目(ハンドボール・卓球・パラバドミントン・ウィルチェアラグビー・パラ卓球)が区内の施設で開催される予定の渋谷区。「成熟した国際都市」を目指す区として、特に「パラリンピックの成功」、「何をレガシー(遺産)に残すか」を課題に挙げている。同大会へのムーブメントとして区では競技の観戦・体験イベントを行っているが、今回の協定を機に、区内の文化施設やイベントホール、小中学校などでスポーツに触れたり選手と交流したり、体験する機会創出の推進を図る。

 地域コミュニティーの活性化を図る渋谷区の「渋谷おとなりサンデー」、日本財団と東京大学先端科学技術研究センターが共催する特異な才能を伸ばす教育支援プロジェクト「ROCKET」など、既に展開している取り組みの拡大を含めた、ソーシャルイノベーション事業の支援も推進していく。

 長谷部健渋谷区長は「区が持つ1つの魅力は発信力。新しいスタイルを世界に広げるきっかけを持てる街なのでは。渋谷で子どもたちが学んで感じて世界に羽ばたく仕掛け、スイッチを作れれば」と意欲を見せる。

 同プロジェクトのプロジェクトデザイナーを務める金山淳吾さんは「ダイバーシティー、ソーシャルイノベーションという言葉を課題解決だけではなく可能性を開拓するキーワードとしてとらえ、両者の連携の下、世界に誇れる事例を作り実装するシステムを作っていければ」と話す。

 企画は今後も増えていく予定といい、事業開始は来年3月以降、5年かけて行っていくプロジェクトとなる。

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