サンロッカーズ渋谷(以下SR渋谷)が10月25日、墨田区総合体育館で栃木ブレックス(同栃木)と戦った。
渋谷区をホームタウンに、青山学院記念館(渋谷区渋谷4)をホームアリーナに使うSR渋谷。同記念館は大学の体育館であることから、使えない時は同体育館など公共の体育館でホーム戦を行う。昨シーズンの王者である栃木を迎えたこの日は、平日にもかかわらず3005人が来場した。
この日オフェンス面でチームを引っ張ったのは、先制となる3ポイント(P)シュートを決めた満原優樹選手。ON1(外国人選手の出場が1人)のクオーター(Q)となった第3Qにはオフェンスリバウンドからシュートを決めるなど10得点を挙げた。勝久ジェフリーヘッドコーチ(HC)が「スタッツには表れないが、ディフェンス面で良い仕事をしてチームに勢いをもたらしてくれた」と評価した広瀬健太選手は、栃木の得点源でもあるセドリック・ボーズマン選手とマッチアップし、ハードなディフェンスで栃木の攻撃を抑える一翼を担った。
第1Qはターンオーバー(攻撃中のミス)から栃木に連続得点を許すも、残り約3分30秒で取ったタイムアウトを機に栃木に得点を与えず、3連続得点で逆転し第2Qに突入すると、12点差を付けて前半を折り返す。第3Qでは、前線にボールをプッシュする早い展開やロバート・サクレ選手のインサイド、伊藤駿(たかし)選手のアウトサイド多彩な攻撃で栃木を引き離し、勢いそのままに85対65で勝利した。
勝久HCは勝利の要因を「チームの一体感が大きいのでは」と分析。「流れが良くなかった時に『こうしよう』という言葉の掛け合いが全員同じ方向を向いている気がした。目指すべきことが明確になり、全員が一緒になりそこに向かっている」と話した。前節の川崎ブレイブサンダース戦は2日共に2点差で敗れたことを振り返り、「勝つチャンスがあった試合で、『チームバスケで解決しないといけない』という、より強い危機感が生まれたと思う。その気持ちが今日の試合に現れたのでは」とも。
14得点、リバウンド6本、ブロックショット(シュートブロック)2本と多岐にわたり貢献したロバート・サクレ選手は「チーム全員で勝ち取った勝利。全員が努力して、それぞれが自分たちのやり方で貢献したのでチームメートを誇りに思う」と喜びを表現した。
満原選手は担当してくれた美容師が観戦していたため、「(前日に)髪の毛を切ったのが良かったのかも」と冗談めかしつつ、「最初からディフェンス頑張って走ってということを徹底した。後半には、もう一回引き離そうという話をしたので意識できて良かった」と振り返り、「マッチアップが(竹内)公輔さんというのは分かっていたし、そこで負けていたら自分の責任だし『ON1の時にサンロッカーズは勝てない』と言われるので、特に日本人で同じポジションなら絶対に負けてはいけないと思っている。結果を残したら僕の自信になるし、相手にもプレッシャーを掛けられる」と話した。次節に向け「やるべきことをやれば絶対負けないという自信はある。それを徹底して2勝してより高みに行きたい」とも。
SR渋谷は今月28日・29日、青山学院記念館で横浜ビー・コルセアーズと戦う。