青山学院記念館(渋谷区渋谷4)で10月15日、サンロッカーズ渋谷(以下SR渋谷)と名古屋ダイヤモンドドルフィンズの試合が行われた。
三遠ネオフェニックスを迎えた前節のホーム開幕戦を連敗し迎えた今節。初日を伊藤駿(たかし)選手の連続得点で逆転勝利を収めて迎えたこの日の会場には1919人が来場した。
チームに勢いを与えたのは、最年長、清水太志郎選手。第1クオーター(Q)終盤に途中出場すると、「一番おじさんで一番足の遅い僕が飛び込めば、他の選手も飛び込んでくれると思った」(清水選手)と、ルーズボールに飛び込みチャンスをつくった。第2Q、粘り強いディフェンスを見せた直後に逆転となる3ポイント(P)シュートを決め、第3Qには満原優樹選手のディフェンスリバウンドとともに前線へ走り、残り4秒で3Pを沈めるなど、出場時間約12分でベテランの風格を見せた。
第1Qから追いかける展開となったこの日。第2Qではジョシュ・ハレルソン選手や清水選手の連続得点などで一時逆転をするも、40対44と点差を詰めることができないまま前半を折り返す。第3Qでは、カットインでゴール下に飛び込む「練習から取り組んでいるプレー」(広瀬健太選手)などで逆転に成功。6点リードで迎えた最終Qも勢いは衰えることなく、序盤に3Pを決めたハレルソン選手は、スチール(相手の攻撃中にボールを奪うプレー)などでも貢献。ハレルソン選手のスチールからレイアップシュートを決めたベンドラメ礼生選手は、ショットクロック(24秒)のブザーとともに3Pを決めるなど場内を沸かせた。後半20分を21得点に抑えるディフェンスも見せ、77対65で勝利した。
SR渋谷は今月13日、左膝軟骨損傷と診断されているブランデン・ドーソン選手をインジュアリー(故障者)リストに登録するとともに、昨シーズン、レバンガ北海道でプレーしていたジャマール・ソープ選手との契約を締結していた。5対5の練習に参加したのは2日に満たない中で、6得点リバウンド5本などチームに貢献。勝久ジェフリーヘッドコーチ(HC)は「運動量の多い選手で、チームとして足が止まっている時に動いてエナジーを注入してくれている。覚えが早い選手」と話す。
勝久HCは「ホームで2連勝できたことをうれしく思う」と喜びを表現し、「特に後半、ディフェンスをタイトに締めてくれて、そこから人もボールもよく動いでオフェンスも良い流れがつくれた。オフェンス力のある名古屋を21点に抑えられたのは選手たちの努力」と評価した。
清水選手は「僕は積極的に1対1を仕掛けるタイプではない。立ち位置的にも、ベテランが頑張れば下の子たちも頑張ろうと思うと考えた。いい連鎖が生めたのでは」と笑顔を見せた。
広瀬選手は「先週は試合に出られなくて迷惑をかけてしまったが、ベンチで見ていてチームに足りなかった点が見えていたので、試合に持ち込めればと思っていた。チーム全体がハッスルしてプレーできたのが今回の結果につながり、新チームとして自信を取り戻せた」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。
「とりあえず勝てて良かった」と胸をなでおろしたベンドラメ選手。「この試合に勝たないといけないという気持ちは強かったので、積極的に走るなどした。先週はシュートセレクションが良くなかったので、どちらかというと今週の方が考えて攻めた」とも。次節(今月20日・21日)は、昨シーズン準優勝の川崎ブレイブサンダースと今季初顔合わせとなる。「川崎とどう戦うかがシーズンの成長につながる。とりあえず1勝したい」と意気込んだ。