アルバルク東京(以下A東京)が10月9日、駒沢オリンピック公園総合運動場体育館(世田谷区)でホーム開幕戦を迎えた。
渋谷区をホームタウンとするA東京。昨シーズンは国立代々木競技場第2体育館(渋谷区神南2)をホームアリーナに使っていたが、同体育館が改修工事で使えないことから、今シーズンは駒沢オリンピック公園総合運動場体育館とアリーナ立川立飛(立川市)とをホームアリーナとして使う。アウェー大阪で迎えたBリーグ2季目の開幕を2連勝で終え迎えたホーム開幕戦の相手は新潟アルビレックスBB(同新潟)。会場には2837人が来場した。
苦しい展開の中、チームに勢いを与えたのは田中大貴選手と馬場雄大選手。前半からアシストなどで得点に絡んでいた田中選手は第3クオーター(Q)、アウトサイドのジャンプシュートやスチール(相手の攻撃中にボールを奪うプレー)からのドライブ(ドリブルでディフェンスを抜くプレー)など多彩なプレーで14得点をマーク。馬場選手は、得意とするダンク2本に加えブロックショット(シュートブロック)や3ポイント(P)シュートも決め、場内を沸かせた。
第1Q新潟にリードを許したA東京は第2Q、田中選手とジャワッド・ウィリアムズ選手の連続得点などで逆転に成功。後半序盤は点の取り合いとなるも、ラスト約3分間新潟を無得点に抑え10点のリードを奪った。最終Qは序盤、新潟に連続得点を許すも追随を許さず78対72で逃げ切った。
ルカ・パヴィチェヴィッチヘッドコーチは「新潟はポテンシャルの高いチームだが、40分間集中力を切らさずに戦えば、勝利をものにできると思っていたので、選手はよくやってくれた」と評価しつつ、「早い段階でオフェンス面を安定させたい」と課題点を挙げた。
田中選手はホーム開幕戦を勝利で収め「良いスタートが切れた」と安どの表情を浮かべるも、「つまらないターンオーバーやディフェンスリバウンドなどやらなきゃいけないことがある。まだ最後に勝てるチームじゃない」と気を引き締める。20得点挙げたことには「最低限でもこれくらいはやれないといけない」と満足しない。馬場選手の活躍には「仲間なので、彼が得点を決めたらうれしい」としつつ、「彼は良いものを持っていてもルーキーで、自分は今年4年目なので、違いが出ないとおかしい。期待しているところもあるが、頼ることは考えていない」と、エースとしてのプライドをのぞかせた。
馬場選手は初のホーム戦に「最初はどうなるかと思っていたが、コートに入るたび、得点が入るたびに歓声が上がってやりやすかった。大学の試合ではあまりホーム感がないので、これがプロなんだとあらためて思った」と話し、「強気なリバウンドやルーズボールなど、スタッズに残らないところで貢献すること、若さも思いっきり前面に出していこうと思った。得意な技(=ダンク)を見せられて自分的にも気持ちがのったし、チームに勢いを与えられたのでは」と自己評価した。
今季A東京に移籍した安藤誓哉(せいや)選手は「東京出身で、中学生のころなどこの体育館で試合をしていたので、懐かしい気持ちとホーム開幕戦ということですごい気合が入った。すごく良い雰囲気だった」と振り返り、「(開幕から)3連勝し、明日への良い弾みになったので4連勝したい」と意気込んだ。
両チームは今月10日にも同所で試合をする。