渋谷区とみずほ銀行(以下みずほ、千代田区)が9月22日、「シブヤ・ソーシャル・アクション・パートナー協定(通称S-SAP、エス・サップ)」を締結した。
区が昨年4月から推進している同協定は、民間企業や大学などの持つ技術やノウハウを活用しながら、協働で地域社会の課題解決を図るもので、これまでに伊藤園、ボッシュ、シダックスなどの企業9社、青山学院大学など4校と同協定を結んでいる。金融機関との協定は同行が初で、同行は区指定の金融機関として公金の取り扱い業務を行っているほか、区内に10拠点を構えている。
同協定では次世代育成のほか、商工観光やスポーツ振興など6項目の課題解決に協働して取り組む方針という。長谷部健区長は「特にベンチャー、スタートアップの支援」に期待を込め、藤原弘治頭取も「ビジネスプラットホームになりたい。渋谷はベンチャー、スタートアップが集積している街」と話す。
両者はデジタルテクノロジーへの取り組みも積極的で、区では9月から区内の公立小中学校に通う児童生徒にタブレットを1人1台貸し出し、ICT教育を推進する「渋谷区モデル」の導入を始めた。長谷部区長は「金融について学ぶプログラムなど、新しいビジネスや活路が見えてくるのでは」と期待を込める。
みずほは、金融以外の「幅広い分野における支援」を行っていきたい考えで、企業・行政・NPO・市民などが連携し地域課題の解決に取り組むまちづくりプロジェクト「渋谷をつなげる30人」にも参加することでまちづくりに貢献していくという。藤原頭取は「(渋谷は)学生時代に過ごす時間が多かった身入れのある街」と話す。