アルバルク東京(A東京)が9月3日、Bリーグ「関東アーリーカップ2017」で千葉ジェッツふなばし(千葉)と対戦した。会場は船橋アリーナ(千葉県船橋市)。
Bリーグの公式戦として、関東圏に拠点を置く6チームが参加しトーナメントで争う同大会。A東京は今月1日の初戦でサンロッカーズ渋谷に、2日の準決勝で川崎ブレイブサンダースに勝利し、千葉との決勝に駒を進めた。
A東京ルカ・パヴィチェヴィッチヘッドコーチ(HC)が「どっちに転んでもおかしくないゲームだった」と振り返る接戦となった同試合。前半は竹内譲次選手やアレックス・カーク選手のインサイドに加え、安藤誓哉選手が3ポイント(P)シュートやドライブ(ドリブルでディフェンスを抜くプレー)からフェイダウェイを決めるなど躍動。
同点で迎えた第3クオーター(Q)、リングにはね返されたシュートをダンクで押し込んだカーク選手が雄たけびを上げチームを盛り上げる。最終Q中盤には24秒バイオレーションやオフェンスファウルを誘うアグレッシブなディフェンスを見せ、2度5点差を付けるも、残り7秒で2点差という最後まで勝負の行方が見えない展開に、場内も盛り上がりを見せた。最後はA東京が逃げ切り77対73で勝利を収めた。
同試合でMVPに輝いたのは、この日が誕生日の田中大貴選手で、来場したファンたちからも「誕生日おめでとう」と声を掛けられていた。残り59秒で決めた3Pを「外していたら最悪な誕生日になっていたかもしれないので、ほっとしている」と振り返り、「チームメートから最高のプレゼントをもらったので今日くらいはケーキを食べようかな」とユーモアをきかせた。
初開催となった同大会。今シーズンA東京が属する東地区は激戦区といわれていることから「(同じ地区の)相手に今の状況を試せるのは良かった。若手の選手は試合をこなすことで成長する。ハードな練習が自分たちのためになっていることを優勝で実感できた」と手応えを感じた様子で、「今のところ順調にきている。自分もチームもレベルアップした姿を見せられるよう準備したい」とシーズン開幕を見据えた。
千葉・富樫勇樹選手は「ネガティブなことが浮かんでこないくらいいい試合だった。初のプレシーズンをここまで戦えると思っていなかった」と晴れやかな表情を浮かべる。A東京を率いるパヴィチェヴィッチHCは、昨シーズン日本代表のテクニカルアドバイザーを務めていたことから「代表でやっていた時とフォーメーションはあまり変わっていないので少し懐かしさもありつつ、(初戦・準決勝で戦った)2チームとは少し違う印象を受けた。同じ地区なのでしっかり準備してシーズンに臨みたい」と意気込んだ。
パヴィチェヴィッチHCは「勝ちたいという気持ちがわれわれの方が勝っていたのでは」と勝因を分析。「シーズンに向けて幸先の良いスタートになったのでは」と話しつつ、課題点としてオフェンスもディフェンスも「対応力」を挙げ、オフェンスでは「相手によってシステムや組み立て方を選手たちに学んでいってほしい」と期待を込めた。
Bリーグ2017-18シーズン開幕は9月29日。