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「原宿の街を変えていこう」、小学生が長谷部健渋谷区長らにプレゼン

多くの大人の前で堂々とした態度でプレゼンした児童たち

多くの大人の前で堂々とした態度でプレゼンした児童たち

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 「小学生の力で原宿の街を変えていこう」――小学生が街の課題を見つけ解決策を提案する「Social Kids Action Project」に参加した児童たちが8月1日、長谷部健渋谷区長にプロジェクトの成果を発表した。

小学生のプレゼンに耳を傾ける長谷部健渋谷区長ら

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 3姉妹を育てる渋谷区内在住の主婦でフリーランスとして活動する植野真由子さんが企画・主催する同プロジェクト。NPO法人「放課後NPOアフタースクール」(港区)、「二枚目の名刺」(渋谷区元代々木町)と共催する。

 小学校高学年(4~6年生)を対象に、子どもたちに自発的なアクションを起こさせること、子どもの視点・意見で大人を動かすことを目的に行う。住んでいる街のことを知ってもらうことや、同じ地域で生活・活動する子どもと大人のコミュニケーションの創出、街の企業・団体同士の交流促進を図り、街を舞台に展開。子どもを介して「町会に少ない」という子育て世代(30~40代)の地域活動への参画にもつなげたいという。

 1月~3月に区内で行ったトライアルを経て本格始動第1回目となった今回は、区内の全小学校でチラシを配布し参加者を募集。神宮前小学校に通う児童を中心に集まった12人が4グループに分かれ、それぞれで掲げたテーマ(ビジョン)を実現するための解決策を考案した。

 プロジェクトは7月21日を皮切りに5日のスケジュールで進行。初日は原宿駅や明治神宮前駅周辺を散策して「街に興味を持つ」ことから始め、2日目・3日目は商店会や小学校、商業施設、ショップなどで、「渋谷で暮らす人」「渋谷を訪れる人」それぞれに「渋谷をどんな街にしたいか」をインタビュー。これらフィールドワークで得た意見などを基に、ビジョンと解決策を考え資料を制作した。最終日となった1日には、長谷部健渋谷区長をはじめ、地域の企業や施設の社員らが参加し、子どもたちの意見に耳を傾けた。

 プレゼンでは、本来は禁止されている「落書き」が自由にできる壁面などを用意するデパート、人口密度を下げ「高齢者が歩行しやすくなる」ように表参道の「歩行者天国」復活、季節の色・食を取り入れたファッションイベントの開催、「便利な街」を目指しレストランやスーパー、ゴミ箱、案内板といった「今の原宿に足りない物」の新設、子どもたちの遊び場所となる畑や川、高齢者が集まれる場所を併設する飲食店とスーパーを合わせたショッピングモールなどの案が提案された。

 子どもたちのプレゼンを聞いた長谷部区長は「大人もインスパイアされるアイデアばかりで参考になった」と総評し、「君たちはもっと面白いことを考えられると思うので期待している」とメッセージを送った。

 夏休みの自由研究にするため参加した幡代小学校6年の福井洸大(こうた)さんは、「プレゼンが上手」と長谷部区長から褒められた。「アイデアをたくさん発表できた」と振り返り、「少しでも実現されれば」と期待を込めた。富ヶ谷小学校5年の前島(まえしま)まやさんは「学校では教科書やインターネットで調べてまとめるだけだが、自分で予想を立てて活動して、考えたアイデアを区長に提案して実現されちゃうかもしれないところが楽しかった」と振り返った。

 植野さんは「子どもこそ世の中を変える力を持っていることを知ってほしい。実体験をすることで積極的になれるのでは」と言い、「(5日間で)子どもたちの成長が見られた」と手応えを感じているようだった。

 プレゼンしたアイデアは、引き続き子どもたちが主導となり実現に向けて行動して行く予定で、進捗状況は同プロジェクトのホームページで公開していく。同プロジェクトは今後、原宿エリアで毎年開催していくとともに区内各地域での展開を検討している。

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