男子プロバスケ「Bリーグ」に所属するサンロッカーズ渋谷(SR渋谷)の選手たちが6月5日、長谷部健渋谷区長を表敬訪問した。
今シーズン開幕した同リーグ参入に合わせ、チーム名を「日立サンロッカーズ東京」から「日立サンロッカーズ東京・渋谷」に変え、ホームタウンを渋谷区に移し、青山学院記念館(大学体育館=渋谷区渋谷4)をホームアリーナとして活用したSR渋谷。レギュラーシーズン60試合は32勝28敗と苦しみながらもチャンピオンシップベスト8に食い込んだ。
冒頭、同チームを運営する日立サンロッカーズ(千代田区)岡博章社長が「(シーズン)後半に新しい外国人選手も入り少しずつチームの形ができ、チームが良くなっていきチャンピオンシップに進出できた。残念ながらチャンピオンは取れなかったが、引き続きこの渋谷で頑張って行きたい」と報告。
「ご苦労さまでした」とねぎらった長谷部区長は「(試合観戦に)行った地元の方が僕に声を掛けてくれることもありうれしかた。そうやってファンが出てくるのはローカルには大切」と話し、「渋谷を盛り上げる応援」として昨年末に区の若手職員が区のシンボル「ハチ公」にちなんだ「ハチ公八本締め」を披露。「ホームで勝った後に選手たちでやってもらい、映像で撮って街頭ビジョンで流せたら」と提案すると、広瀬健太選手は「練習しなきゃ駄目ですね」と笑顔で応えた。
長谷部区長が「応援」を課題に挙げると、SR渋谷の宮野陣事業統括部長は「かなり難しかった」と続け、「率先して声を出してくれる根強いファンが出てきたことは心強かった」振り返った。広瀬選手は「SR渋谷の応援というより、初めてバスケを見に来てくれる方が多かったように感じた」と言い、「男性ファンもだいぶ増えた。黄色い声もうれしいが、男性にはプレーを応援してもらえていると感じられた」とも。
「ホームの温かさをつくりたい」と長谷部区長。「(青山学院記念館で)試合をしていると『何だ、何だ?』と注目は集める。継続することで土地に根付いてくるのでは」と期待を込め、「ダンクが増えれば面白くなるのでは」と提案すると、広瀬選手は「ホームの時だけリングを低くしてもらえれば」と冗談交じりに答えた。
区民へのアピールとしてとして長谷部区長が毎年1月に開催している区駅伝大会「しぶやニュー駅伝」への参加を促すも、Bリーグがシーズン中であることから広瀬選手は「フロントスタッフに走ってもらって…」と笑いを誘った。「必勝祈願に行きたい」と話した岡社長に長谷部区長が、区内に鎮座する明治神宮(代々木神園町)、渋谷の氏神である金王八幡宮(渋谷3)、「勝利・至誠の神」である東郷平八郎を祭る東郷神社(神宮前1)を紹介する一幕もあった。
上京した際、「渋谷が楽しくて大好きになったので、帰って来られてうれしかった」という広瀬選手。「かっこいいカルチャーがあって、『渋谷』を名乗れるは自慢になった。(学生のころとは違う)渋谷の新しい面を見られたのはホームタウンになったからこそ」としつつ、「トレンドの発信地なので敏感にならないといけない」と渋谷ならではの苦労もうかがわせた。
今シーズン受賞した「スチール(相手の攻撃中にボールを奪うプレー)王」にちなみ「渋谷区民の心を盗み切れたか」を聞かれた広瀬選手は「まだまだなので、技術を上げて(渋谷区民の心を)奪いきりたい」と答えつつ、「(5月30日に行われた)表彰式が華やかだったので、(表彰式に)出るモチベーションもできた。来シーズンは優勝チームとして表彰してもらいたい」と意欲を見せた。