原宿・表参道などで6月1日、日本発アジア最大級の短編映画祭「ショートショート フィルムフェスティバル&アジア(以下SSFF & ASIA)2017」が始まった。
「Shibuya Diversity Award」を受賞した「サミラ」
俳優の別所哲也さんが創設者となり1999年に原宿で始まった「ショートショート フィルムフェスティバル」。2004年には米国アカデミー賞から公式認定を受け、アジア作品を集めた「ショートショート フィルムフェスティバル アジア」を兄弟映画祭として初開催。以降、SSFF & ASIAとして両祭を同時開催している。
19回目となる今年は、「cinemaTIC cinemaTEC!」をテーマに、映画の「普遍性と進化の先にある映画・映像の未来」に光を当てる。期間中は、次年度の米アカデミー賞短編部門のノミネート選考対象作品となる「オフィシャルコンペティション」3部門をはじめ、「CGアニメーション部門」「ミュージックShort部門」など6部門と15の特別プログラムで約250作品を上映する。
今回からスペシャルプログラムとして、渋谷区とタイアップした「Shibuya Diversity Award」を新設。同プログラムは、昨年10月に「ちがいを ちからに 変える街」をテーマに昨年策定した区の基本構想普及啓発活動の一環で、LGBTや難民問題などダイバーシティー(多様性)とインクルージョン(包括・包含)をイメージした短編映画を上映するもの。
ノミネート6作品の中からアワードを受賞した作品は「サミラ」(Charlotte A. Rolfes監督、ドイツ)。ストーリーは、警察のおとり捜査に呼び出された通訳・ヤノッシュがコンテナ船の中に立てこもり自殺をすると迫ったアフリカ人女性を助けることを約束するが、その約束が思いがけない結果をもたらすことになる――。
1日に行われたオープニングセレモニーには、長谷部健渋谷区長が登壇し、同作に出演したデヤン・ブキンさんにトロフィーなどを進呈した。ブキンさんは「今の社会では多様性、寛容性が重要なキーワードになっている。この映画が何かしら影響を与えられたらと」と喜びの表情を見せた。
長谷部区長は「できたら子どもたちにも見てもらい、ダイバーティシティーとインクルージョンを考えるきっかけになれば」と期待を込める。
ノミネート作品はラフォーレミュージアム原宿(渋谷区神宮前1)で今月11日に上映する。
開催期間は、表参道ヒルズ・スペースオー(神宮前4)=6月2日~4日、ラフォーレミュージアム原宿=6月7日~11日、恵比寿act*square(恵比寿4)=6月7日ほか。映画祭の鑑賞料は一部イベントを除き無料。