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スパイラルに細川護熙さん巨大墨絵「棚田の四季」 プレナス「米文化継承事業」で

3年かけて作品を完成させた細川護熙さん

3年かけて作品を完成させた細川護熙さん

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 スパイラル(港区南青山5、TEL 03-3498-1171)1階・スパイラルガーデンで6月1日、細川護熙(もりひろ)元首相が描いた墨絵「四季の棚田」の展示が始まった。

60枚の和紙で構成する作品全景

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 持ち帰り弁当「ほっともっと」と定食レストラン「やよい軒」を展開するプレナス(福岡市博多区)の「米文化継承事業」として制作された同作。同社が海外に店舗を広げるに当たり、「日本の食文化も伝えたい」と、そのシンボルとなる作品の制作を企画。政界引退後、陶芸や書、ふすま絵など「日本の文化に関する創作」を手掛けている細川さんに依頼した。

 細川さんは同社の事業の中心となる「米」から着想を得た棚田の四季を題材にした。3年かけたという同作は、2014年に下絵を描き始め、昨年1月~11月にかけて墨入れを行い、今年2月に展示に向け補強。4月から同社東京本社(中央区)7~8階のアトリウムに設置しているが、今回、期間限定で一般公開する。

 作品は2メートル×1メートルの和紙「大濱紙」60枚で構成する高さ8メートルのサイズ。桜などの花と共に土を耕す春からから雪の積もった冬までを描く中で、実った稲穂や収穫が進む棚田のほか、祭りも描いた秋を最も大きく表現した。学生時代に見たことがあるという長野・姨捨(おばすて)の棚田に足を運んでイメージを膨らませたというが、特定の場所ではなく「心象風景」を描いているという。「松煙墨」など何種類もの墨を使い分けているほか、春の桜やレンゲ、菜の花などは顔料で着色している。

 会場のモニターでは、制作から完成までを細川さんのインタビューを交えてまとめた映像も上映。細川さんの書や彫刻作品も飾るスペースも用意した。

 細川さんは「隣同士の色の整合性を取るのが大変だった。一方で、トンボや犬、地蔵などをどこにどう描くかを考えるのは楽しかった」振り返り、「日本の四季を感じてもらえたら」と呼び掛ける。

 開催時間は11時~20時。入場無料。今月4日まで。

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