渋谷区で6月、IoT(Internet of Things=モノのインターネット)を活用した高齢者と子どもの見守りサービスの社会実証が始まる。
東京電力ホールディングス(千代田区)が主体となり、スマート防犯サービスの開発・運営を手掛けるotta(福岡市)のIoT技術・システムを使う同サービス。高齢者や子どもに持たせる、ビーコン(電波受発信器)を搭載したキーホルダー型の専用端末(発信機器)からの位置情報履歴をスマートフォンやパソコンで把握できるもの。見守り対象者が事前に登録した場所を通過した際に、位置情報をメールで受け取ることもできるようにする。
対象エリアは渋谷区全域で、対象者は区内在住の高齢者と区立小(中)学校に通う児童(生徒)。高齢者は、区が導入している「見守りキーホルダー事業」登録者(約200人)などに区からアプローチして利用を呼び掛ける。子どもは、まず神南小学校(宇田川町、生徒数約440人)で希望者に電源コンセントに差し込むタイプの基地局端末と専門端末を配布。以降、順次区内全域に拡大させていくという。
基地局は、小学生の通学路にある交流センターや福祉施設などの公共施設や民間施設、電柱や地上電力設備など東京電力グループの設備、キリンビバレッジバリューベンダー(中野区)が区内に設置している自動販売機など500カ所程度の設置を見込む。また、同サービスの無料アプリをインストールした人のスマートフォンも基地局になるという。
スケジュールは検討中だが、「区内全域で有効性が確認できるまで」は無料。以降、継続利用希望者には月500円程度の低価格での有料提供を予定する。