渋谷区を拠点にする男子プロバスケ「Bリーグ」のサンロッカーズ渋谷(SR渋谷)が5月13日・14日、リーグ初代王者を決めるチャンピオンシップ(CS)初戦を迎えた。
8チームが出場しトーナメント戦で争うCS。ワイルドカード下位の8位でCSに進んだSR渋谷の初戦は、リーグ1位の勝率でレギュラーシーズンを終えた川崎ブレイブサンダース。会場となったトッケイセキュリティ平塚総合体育館(平塚市)には、13日=1713人、14日=2104人が来場した。
初日は第3クオーター(Q)を3点ビハインドで終える接戦を繰り広げながら、最終Qで引き離され75対89で敗戦。「失うものは何もない」(伊藤駿選手)と背水の陣で臨んだ2日目。「出だしでしっかり守ること」(BTテーブスヘッドコーチ)を掲げたSR渋谷だったが、高確率でシュートを決めた川崎を止めることができず、26対51で前半を折り返した。
後半開始序盤は、セットプレーからの得点や広瀬健太選手の3ポイント(P)シュート、広瀬選手やベンドラメ礼生選手のスチール(相手の攻撃中にボールを奪う)からのレイアップシュートで4連続得点を決めるなど同Qのみで35得点を挙げ、11点差まで追い上げる。最終Qも気迫のこもったプレーを見せるも82対98で敗れ、CS初戦敗退となった。
この日の試合を「シーズンを象徴するようなゲーム」と振り返ったテーブスHC。昨年のNBL覇者である川崎を「倒すことが目標だった」と言い、「安定したシュート力をつけること」「その時々のディフェンスに合わせてオフェンスのシステムを自分たちで変える状況判断力」をチームの課題として挙げた。一方で評価点は「崩れそうになった時、若手もベテランも全員が団結して取り戻そうとしたところ、チームで守ったディフェンス」とも。
伊藤選手は「前半のオフェンスが良くなかった」と言い、「シーズン通して僕たちが競って負ける試合は、前半離されて後半頑張って追いついても、前半の点差が残って負けるということが多かった。オフェンスがだめだったらディフェンスで頑張ればいいのに、気持ちの部分で切り替えられないことが重なった」と悔しさをにじませる。
「準備不足」を敗因に挙げた広瀬選手は「自分たちのストロングポイントはディフェンスのアグレッシブさだと(チームで)共通認識しているが、前半から出すことができなかった。川崎の方がしっかり準備していた」と言い、第3Qの追い上げを「あのまま終わってしまうのは、あまりにもふがいなくて。情けないままで終わりたくなかった」と振り返る。「今シーズンは自分たちの持ち味を出すのが遅く、CSぎりぎりまで出場権争いをしてしまった。出場が決まりチームが落ち着いてしまった部分ある。少し達成感を得てしまったので、ハングリーさが欠けてしまったのかな」とも。会場に集まったファンたちには「ホームチームに負けないくらいの声援をもらい、だいぶ後押しになった」と感謝の言葉を口にした。
この結果、川崎のセミファイナル(今月19日・20日)の相手は、SR渋谷と同じ渋谷区を拠点とするアルバルク東京に決まった。川崎・北卓也HCは「昨年末に対戦しているが、外国人選手が替わったのでどうなるか分からない。情報共有してしっかり準備することが大事」と話した。篠山竜青選手・辻直人選手は共に、ディアンテ・ギャレット選手と田中大貴選手を「要注意選手」として挙げた。