東急百貨店本店(渋谷区道玄坂2)で5月5日、「渋谷の未来を描こう絵画コンクール」の表彰式が行われた。
今年開業50周年を迎える同店の記念企画の一環。3月25日~4月14日にかけて、渋谷区に在住または区内の小学校に通学する児童を対象に「渋谷の未来」をテーマにした絵画作品を募集したところ、283点が集まりうち26作品を入賞作品として選んだ。当日は、式に参加した20人に賞状と副賞が贈られた。
最優秀賞に選ばれたのは、区立神南小学校6年の小澤神威(かむい)さんの「渋谷の森」。代々木公園など区内の緑に着想を得て、地上の街が森になり道路や鉄道が地下に整備された街を描いた。「空気がきれいで居心地がよく、事故が減り、人がたくさんいる落ち着いた街」をイメージしたという。
「面白そう」と思い参加したという小澤さん。「あまり(自信は)無かった」というが、最優秀賞に「うれしい」と笑顔を見せ、「(グラデーションになっている)木の葉っぱの色などを見てほしい」と話した。
優秀賞は、目が見えない妹を持つ区立中幡小学校5年・諏訪戸叶(かのん)さんが描いた「障がいを持つ人も住みやすい街になってほしい」という思いを込めた「誰もが主役、渋谷の街」など2作品。準優勝には、街中が混んでいても泳いで東急本店まで行けるよう、水の中に街がある未来を描いた慶應義塾幼稚舎2年・千代田崇史さんの「泳いで行けるよ東急に 水中世界の渋谷」など3点が選ばれた。
そのほか、ハチ公像やSHIBUYA109、スクランブル交差点など、渋谷の名所をモチーフにした作品や、飛ぶ汽車や2020年の東京五輪・パラリンピックが描かれるなど、豊かな発想力で描かれた作品が集まった。
同社本店長の高橋功さんは「未来の渋谷をどうしたいかが込められている作品で選ぶのが大変だった」と振り返り、「小さなことでもいいので、その気持ちを忘れずに、描いた未来を皆さんが実現してほしい」と呼び掛けた。
最優秀賞・優秀賞・準優秀賞の計6作品は7月末~11月初旬、渋谷駅と同店を巡回するシャトルバスにラッピングする予定。受賞作をはじめ、集まった作品は今月10日まで8階レストランフロアに展示している。