渋谷区を拠点とする男子プロバスケ「Bリーグ」のサンロッカーズ渋谷(SR渋谷)が5月6日、レギュラーシーズン全60試合を戦い終えた。
昨年9月下旬に開幕したBリーグの初年度となった今シーズン。年始の天皇杯(オールジャパン)、日本代表の国際強化試合を挟みながら、7カ月強にわたるレギュラーシーズンを駆け抜けた。最終節は、同地区1位の川崎ブレイブサンダース(川崎)とのアウェー戦となった。
5日の初日は、第2、第3クオーター(Q)で流れをつかみ一時17点差とするも、最終Q残り9秒で同点に追いつかれ延長に突入すると、86対93で逆転負けを喫した。最終戦となった6日は、約5カ月ぶりにスターティング出場した大塚裕土選手が放った3ポイント(P)シュート3本を全て決めるなど好調な滑り出しを見せた。ベンドラメ礼生選手の、3Pラインから離れた位置からのブザービーターも飛び出すなどし、78対76で勝利を収めた。
60試合を終え「長かった」と口をそろえたSR渋谷のアイラ・ブラウン選手、広瀬選手、ベンドラメ選手。32勝28敗というレギュラーシーズンの成績に「もう少し勝てた」と振り返ったベンドラメ選手。ブラウン選手は「うちのチームはシーズン中に変化が何回かあったので、それが数字に反映されているのでは」と分析し、広瀬選手は「(シーズン)序盤でつまずいたが、立て直すことができたのはいい経験になったというか、諦めずに最後までチームとして戦えて良かった」とも。
リーグ王者を決めるチャンピオンシップ(CS)に向け、ブラウン選手は「持っているもの全てをささげたい。110%自分のプレーをして、自分たちがやるべきことをやれば次のラウンドの進出につながる」と意気込む。ベンドラメ選手は「CSは勢いが大事。得意の爆発力を生かして、勢いよくトーナメントを勝ち進んでいきたい。試合の入りさえ良ければいいゲームができる」と自信をのぞかせた。広瀬選手は「CSは下位チームにもだいぶチャンスがある。捨て身になって、どちらが勝つか分からない試合をすれば、下位チームが『荒らす』という意味では面白い戦いになる」と下剋上を狙う。
BTテーブスヘッドコーチ(HC)は「(1月に入団した)サクレ選手をどう生かすかを構築していくことに時間がかかったが、自分たちの弱みや強みは把握できている。(5日の)第4Qのようになった時、選手も私自身もゲームコントロールできるかが今は一番大事」と気を引き締めた。
同日行われた試合で、三遠ネオフェニックスが富山グラウジーズを下し33勝目を挙げたことから、中地区3位、ワイルドカード下位でのCS出場が確定。CS初戦(今月13日・14日)で再び川崎と対戦することとなる。
両チームはレギュラーシーズンでの8試合に加え天皇杯での1戦、そしてCSでの連戦と顔を突き合わせる機会が多くなった今シーズン。ベンドラメ選手は「いい加減しつこい」と冗談めかす一方、川崎・辻直人選手も「もうおなかいっぱい。終わった後、一緒に打ち上げに行ってもいいくらい仲を深められている」と笑う。辻選手は続けて、「サクレ選手が入りインサイドが起点となったことで安定している。簡単には勝てないので良いシュートを打ち続けないといけない」とSR渋谷の印象を話す。
川崎・北卓也HCは「サクレ選手が入り良いバランスになった。運動能力が高い選手が多く、スチールがリーグトップの選手(=広瀬選手)もいて、簡単なミスが(相手に)簡単な得点を与えてしまう。そこが他のチームとは違うところ」と警戒する。