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千駄ヶ谷にファッションFAB施設「アンドメイド」 古舘プロジェクトが新事業

独立した作業台や特殊ミシンなどをそろえる「上級者向け」の2階

独立した作業台や特殊ミシンなどをそろえる「上級者向け」の2階

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 千駄ヶ谷に4月28日、服作りができるファッションFABスペース「andMade(アンドメイド)」(渋谷区千駄ヶ谷3、TEL 03-6434-5573)がオープンした。経営はフリーアナウンサー古舘伊知郎さんやタレント篠原ともえさんらが所属する古館プロジェクト(新宿区)。

ハンドル操作でキルティングなどができるミシン

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 同社が新事業として立ち上げた同店。同社事業開発部MMB事業本部エグゼクティブプロデューサーの荒木浩二さんによると、イベントやプリなどでハンドメード品を売買する人が近年増えていることや、具材メーカーの店舗が増えていることなどから「ものづくり」に着目。「衣食住」のいずれかに関わる事業を考えていたところ、「洋服は自分で作るというイメージが無かった」ことに気付いたという。

 リサーチをする中で、洋服を作るにはパターン(紙型)起こしや布の端がほつれないようにロックミシンをかけるなど「技術的なハードルが高い」こと、専門学校を卒業しても「場所や専門的な器械がない」ことから洋服を作らなくなってしまう人がいることを知り、その問題を解決すれば「何か面白いことが起きるのでは」と、同業態に行き着いた。

 世の中に広く浸透させる意味を込めて、「原宿を歩いているような」10代の女性をコアターゲットに据える。同層へのアプローチを図り、今夏には同店を舞台にした番組を「AbemaTV」で放送する予定という。店名は「手作り」を意味する「Handmade」から頭文字の「H」を取った造語で、服作りの工程から一部の手作業を取ることで「新しい服の作り方や表現を目指す」との意味を込めた。

 当初は、清澄白河など下町で出店場所を探していたというが、現在の物件に出合い、アパレルメーカーのオフィスが点在していることなど「アパレルの街」であることから同所への出店を決めた。場所はミニコープ千駄ヶ谷店跡で、1階・2階合わせて店舗面積は80坪ほど。ファサードはガラス面を広くとり店内をのぞけるようにし、店内はグレートーンでまとめた。配置するテーブルや椅子は作業のしやすさを考慮した形・サイズのものを選んだ。1階はワークスペースのほか、フィッティングルームや電源を備えるパウダールームも併設。2階は「上級者向け」として独立した作業台や特殊ミシン、デジタル機器コーナーも用意。女子トイレには個室の扉に全身鏡を付けるなどした。

 ミシンは、家庭用や職業用、ロックミシンをはじめ、工業用、ハンドル操作でキルティングをしたり手書きのように絵を描いたりできるキルト用ミシン、デニムの裾上げやバッグの底面など包もの縫製に対応するシリンダーヘッドミシン、3本針のカバーステッチミシンなどJUKI(多摩市)のミシン28台を中心にそろえる。

 そのほか、オリジナルの柄を作れる転写紙を印刷するテキスタイルプリンター、その転写紙を生地に転写するプレス機、アクリル板などにプリントできるUVプリンター、彫刻と切り出しに対応するレーザーカッター、シルクスクリーン用の版を作るデジタルスクリーン製版機、パターン作りもできるカッティングマシンといったデジタル機器もそろえる。

 利用料は、1時間=648円(5時間以上で1日使い放題3,780円に切り替え)のデーリープランと、時間制限なく利用できるプラン=1カ月1万584円、1年10万5,840円を用意。入会料は1,080円。入会には参加無料の店内ツアーへの参加が必要。会員はミシンやデジタル機器を予約して利用(一部を除き有料)できるほか、作りかけの洋服や資材などを預かるストレージサービスや、共有トルソーを一時的に占有できるサービス(1週間756円~)もオプションで用意する。

 店内では、洋服作りに関するトークイベントやワークショップを毎月開き、中には非会員でも参加できる企画も用意していくという。

 荒木さんは「洋服だけでなく、少しでももの作りに興味のある人、クリエーティブを発揮してくれる人に使ってもらいたい。来てみて何ができるのかを見てほしい」と呼び掛ける。「当店からデザイナーのスターを生み出したい」とも。

 営業時間は10時~22時。

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