渋谷区を拠点とする男子プロバスケ「Bリーグ」のサンロッカーズ渋谷(SR渋谷)が4月29日、リーグ王者を決めるチャンピオンシップへの出場を決めた。
29勝26敗、CS進出までマジック2で迎えた今節のSR渋谷は、富山グラウジーズ(富山)を迎えてのホーム2連戦となった。会場の大田区総合体育館(大田区)には29日は2030人が、30日には2204人が、それぞれ来場した。
29日は、第1クオーター(Q)でアイラ・ブラウン選手が10得点を挙げる活躍を見せ23対15とリードするも、第2Qは13得点に抑え込まれ点差を詰められる。第3Qで逆転を許すと、残り6分44秒で13点のビハインドを負う。そこからベンドラメ礼生選手、アイラ・ブラウン選手の3連続3ポイント(P)で点差を詰めると、約3分富山に得点を許さず、オフェンスリバウンドからの広瀬健太選手のシュートで逆転に成功し、81対74で勝利を収めた。
この勝利とともに、同日試合を行った西地区3位の琉球ゴールデンキングスが同4位の京都ハンナリーズに敗れたことから、SR渋谷のマジックが0となりチャンピオンシップ(CS)への進出が決まった。
2日目は、ロバート・サクレ選手が先制となるシュートを決め、広瀬選手のスチール(相手の攻撃中にボールを奪う)からの得点や大塚裕土選手・アールティー・グイン選手の3Pなどで第1Qは19対12とリードをするも、第2Qで1点差に詰め寄られると後半は富山を追う形となる。最終Q、清水太志郎選手の3P、ブラウン選手のダンクで一時1点差まで追いつくも一歩及ばず72対76で敗れた。
CS進出決定に清水選手は「うれしいというより、元NBLチームとしてのプライド、日本代表選手もいる中で歯がゆいシーズンを送って来たのでコート上でうっぷんを晴らしたい」と言い、広瀬選手も「CS出場は最低ライン(の目標)。1戦勝てば何が起きるか分からない。上位チームを脅かしたい」と意気込む。
CSはかつてのbjリーグと同じトーナメント方式で先に2勝したクラブの勝利となる。初戦をリーグ上位チームと当たるSR渋谷だが、長年bjリーグのチームでプレーしてきた清水選手は「下位チームの方が気持ち的にも入りやすいのでラッキー。経験してきたことを(チームメートに)伝えたい」と話す。CS初戦で対戦する可能性が高い川崎ブレイブサンダースとは、レギュラーシーズン最終節で対戦を控えているため「嫌な印象を与えて、CSに勢いをつけたい」とも。
レギュラーシーズンも残すところあと3試合となった。ベンドラメ選手は、「これまでは勝ちにこだわってきたが、CSに向けて試合内容にこだわっていきたい」と話す。個人としては「新人賞」がかかっている今シーズン。「もらえるものならもらっておきたい」と控えめながら、「(自信は)もちろんある」と言い、「活躍していればもらえると思うので、毎試合印象を残せるように意識している」という。同窓の東海大学の同期であり京都ハンナリーズの小島元基選手をライバルに挙げながらも「小島はけがもあったので、どうだろう…」とも。
SR渋谷は5月3日に同体育館で新潟アルビレックスBBを迎えて対戦する。