青山学院記念館(渋谷区渋谷4)で4月23日、男子プロバスケ「Bリーグ」のサンロッカーズ渋谷(SR渋谷)と川崎ブレイブサンダース(川崎)の試合が行われた。来場者数は2108人。
今シーズンから同所をホームアリーナとしているSR渋谷。今シーズン最後のホームアリーナ戦ということもあり「みんな気合が入っていた」(ベンドラメ礼生選手)というこの日。昨日からの課題であった開始序盤からハードなディフェンスを見せるとともに、高確率でシュートを決める好スタートを切ると、これまで5戦5敗していた川崎に一度も逆転を許すことなく84対71で金星を挙げた。
第1クオーター(Q)は、スチール(相手の攻撃中にボールを奪う)やリバウンドからの3ポイント(P)やドライブ(ドリブルでディフェンスを抜くプレー)など、ディフェンスからの攻撃で一時10点のリードを奪うことに成功。点の取り合いとなった第2Qは両チームともに3Pがさえ、SR渋谷はアールティー・グイン選手、大塚裕土選手、ベンドラメ礼生選手、アイラ・ブラウン選手が4本中4本を決める100%の確率。広瀬健太選手のパスに合わせてブラウン選手がアリウープ(空中でボールをキャッチしてそのままダンク)を決めると場内はひときわ大きな歓声に包まれた。
後半開始直後、川崎の篠山竜青(りゅうせい)選手の3Pで同点に追いつかれるも、ロバート・サクレ選手のダンクや広瀬選手の3Pなどで逆転を許さないSR渋谷。最終Qも広瀬選手のドライブやバスケットカウント(相手のファウルによりフリースローを得る)となるサクレ選手のダンクなどでリードを保ち、ラスト5分はBTテーブスヘッドコーチ(HC)が「特にハードにプレーした」と評価した通り、川崎に2ゴールしか許さない堅守を見せた。「本当に勝ちたかった。チームのためにプレーできればと思っていた」というサクレ選手は、ルーズボールにも果敢に飛び込んでいく姿も見せた。
試合終了後、テーブスHCは「昨日の終わり方、特に自分たちとって大切な激しいディフェンスは良い形で終われたので、あとは昨年度のNBLチャンピオンから自分たちが点を取れるということを見せることだった」と言い、「自分たちが点を取れていたのは事実ではあったが、前半で川崎に44点取られていたのは川崎の流れだった。自分たちのゲームをやらないと勝てないと思った。後半はディフェンス面を意識することができた」と振り返った。
ベンドラメ選手は「今日の勝ちは大きいし、残り5試合にも影響が出ると思う」としながらも、(次節の)富山(グラウジーズ)は今勢いに乗っているし、前節負けている(1勝1敗)。今日みたいに入りで自分たちの流れを作ることができれば良い試合運びができる」と意気込んだ。
今シーズン最後の同所での試合に青山学院大学の卒業生、伊藤駿(たかし)選手は「最初は違和感もあったが、終わってみればここがホームアリーナという気持ちが染みついた。ここで試合をすることはワクワクするというか、モチベーションが上がる場所になった」と言い、広瀬選手も「母校ということは変わりないが、毎試合ブースターの方たちが熱く応援してくれて、少しずつホームアリーナという実感も強くなってきた。来シーズンもここで自分たちのバスケを見てもらえるよう、熱い試合をしていきたい」と話した。
SR渋谷は今月29日・30日、大田区総合会館(大田区)で富山グラウジーズを迎えてのホーム戦を行う。