公園通り中ほどの交差点の一角にある渋谷区勤労会館(渋谷区神南1)2階に4月18日、時間料金制貸し多目的スペース「コインスペース神南店」がオープンした。経営はコインスペース(港区)。
O2Oサービスなどを手掛けるデジサーフ(神奈川県藤沢市)が2014年に立ち上げた同事業。かねて東急プラザ渋谷などに出店していたが、昨年2月に閉店。同年1月にコインスペース社長の佐藤悠太さんらが同事業専門の同社を立ち上げて事業を引き継ぎ、新たに展開を進めている。
「居場所を提供する10分からの時間貸し」をコンセプトに、利用客それぞれに合った使い方ができる多目的空間。昨年9月に1号店を渋谷マークシティ(道玄坂1)内の渋谷区観光協会内に開設。2月には、渋谷駅前の商業ビル「QFRONT」(宇田川町)内のダイニング「ぷん楽」と提携し、同店が営業していないランチ時間帯を活用して出店。コインスペースは、隙間スペースを有効活用し収益を確保するシェアリングエコノミーの推進も図っている。
神南店は区が所有する隙間スペースを有効活用するもので、テーブルや椅子を置いていた共有スペースを改装した。店舗面積は約44平方メートル。席数は37席。テーブルなどには木材を採用している。全席電源、フリーWi-Fi完備。アルコールなどを除く飲食物の持ち込み可能で、コーヒー自動販売機(1杯100円)も設置している。貸し出し用の充電器やホワイトボードも用意する。
利用料は15分100円、3時間以上は一律1,200円。ロッカーは月額利用料5,000円。3店舗使い放題の月額会員プランなども用意する。ウェブでは席単位でリアルタイム予約ができる。
同店では初めて、無人のセルフサービスを試験導入。ウェブ上で予約・決済済みの人はキャッシュレスで利用できる。予約なしでの利用客は当面、自身で時間を計り、利用した時間に相当する金額を店頭のボックスに入れる形となる。無人ではあるが、同館職員が見回りをすることでセキュリティーを保つという。
渋谷区観光協会内の店舗は月に延べ2500人以上が利用するといい、7割弱がビジネスユースで残り3割ほどがスマートフォンなどの充電、弁当を持ち込んでのランチ、趣味の教室などさまざまだという。
佐藤さんは「コワーキングスペースよりもライトに使える、カフェ代わりのサードプレイスを目指している」とし、「渋谷の中でいろいろな人が場所に困っていることが顕在化してきた。まずは使ってもらうため、パターンの異なる店舗を展開している。好きな時に好きなだけ使えるので一度利用いただくと便利だと思っていただける」と自信をうかがわせる。
営業時間は10時~19時。月曜・第2日曜休館。同社は今後ターミナル駅を中心に年内100店舗展開を目指す。