渋谷・キャットストリート沿いの複合施設「渋谷キャスト」(渋谷区渋谷1)の開業日が、4月28日に決まった。事業主は渋谷宮下町リアルティ(東急電鉄・大成建設・サッポロ不動産開発・東急建設)。
1960年代に建てられた都営住宅「宮下町アパート」跡地となる同所。敷地面積は約5020平方メートル。ビルは地下2階~地上16階、延べ床面積は3万5000平方メートル。高さは約71メートル。正面にはスパンドレルという金属系仕上げ材の突起を5種類の角度を持たせて設置することで、建物の各部に陰影のコントラストをつけている。キャットストリート側のグランドフロアに造った約800平方メートルほどの広場には、キッチンカーやショップが日常的に出店するようになる。
グランドフロアと1階には4店舗が出店。かつて東急文化会館に出店していた東急ストアが、ミニスーパー「東急ストア フードステーション」として14年ぶりに渋谷に出店。生鮮食品に加え店内で焼くパンを扱う「100円ベーカリー」やデリ、東急沿線を中心とした直産野菜を扱う「農家の直売所」コーナーなども展開予定。
HUGE(神宮前1)が展開するスパニッシュイタリアン「THE RIGOLETTO」は集大成となる店舗を作る。2フロアにわたる約200坪に250席を用意し、生パスタやピザなどに加えて、限定メニューもそろえるという。本社を同施設内に移転するベイクルーズ(神南1)は、新たなストリートスタイルを提案する新業態のセレクトショップ「PULP 417 EDIFICE」とデリカフェ「PULP Deli&Cafe」を出店する。
1階のカフェ「Are(オーレ)」は、1~2階には入居するシェアオフィス「co-lab」に併設。Wi-Fiやコンセントも完備し、デザイナー作品の展示・販売もするほか、会議時のケータリングなどにも対応するという。
2階~12階は東急電鉄が運営するオフィスエリアで、満室稼働で開業予定。13階~16階は1R~3LDKの共同住宅で、東急ラフィアと東急住宅リースが運営を手掛ける。13階はコレクティブハウスとして、専用の居住空間に加えて、キッチンやリビングダイニングなど共用スペースを設ける。14階は1カ月以上を目安に滞在できる家具や家電、日用品が付いた滞在施設「サービスアパートメント」で、15階・16階が一般賃貸住宅となっている。
同施設開発に併せて、区道であるキャットストリートも一部整備。車の視認性を確保したり歩道の幅を広くしたりして安全性の向上を図ったほか、全長約70メートルの広場にはベンチを兼ねた遊具を配置するなどした。
開業日には、音楽グループ「Open Reel Ensemble」がライブパフォーマンスを予定。広場では、デザイナーズマーケットを開き、日替わりのフードトラックが出店するなど、5月7日までオープニングイベントを企画している。
同所は70年の定期借地権が設定されており、事業終了後は更地返還する。