青山学院記念館(渋谷区渋谷4)で3月18日、男子プロバスケ「Bリーグ」のサンロッカーズ渋谷(SR渋谷)とアルバルク東京(A東京)の試合が行われた。
共に渋谷区をホームタウンとする「渋谷ダービー」となったこの日。会場にはSR渋谷のホームとして最高となる4377人が詰めかけたほか、長谷部健渋谷区長も来場。試合前には「待ちに待った渋谷区内での渋谷ダービー。両チームに青学出身の選手もいるので、いろいろな見方もできる。名勝負を繰り広げて盛り上げていただければ」と激励した。
ティッオフ後、ディアンテ・ギャレット選手のジャンプシュートで先制したA東京が、松井啓十郎選手が3連続3ポイント(P)を決めるなど1クオーター(Q)で27得点を挙げ勢いに乗る。追いかける立場となったホームSR渋谷は第2Q序盤、オフェンスリバウンドからのゴール下で満原優樹選手がシュートを決めると、伊藤駿(たかし)選手のバスケットカウント(相手のファウルによりフリースローを得る)となるジャンプショット、ロバート・サクレ選手のダンクのほか、藤高宗一郎選手が3Pやスチール(相手の攻撃中にボールを奪う)、リバウンド、パスカットなどアグレッシブなプレーを見せた。
点の取り合いとなった後半序盤は、A東京が田中大貴選手、ジェフ・エアーズ選手の連続得点を決めると、SR渋谷もアイラ・ブラウン選手、広瀬健太選手が得点を取り返す。最終Qは、3Pラインから離れたところからのロング3Pや、ファールを受けながらのジャンプショットなどを決めたギャレット選手が13得点を挙げる活躍を見せるなどA東京の勢いは止まらず、63対95でA東京が勝利した。
SR渋谷BTテーブスヘッドコーチ(HC)は「自分たちが計画したディフェンスができず完敗。スピード、積極性が上回られて受け身になってしまった」と反省点を挙げた。
「昨シーズンまで在籍していた(竹内)譲次さんがA東京にいることもあり絶対に負けたくない。気合は入っていた」という伊藤選手は、「もっとコミュニケーション取ってエナジー出していきたい。3Qにはディフェンスから走って得点できた部分もあったので、そこは継続していきたい」と意欲を見せた。過去最高動員に「最高の雰囲気だった」と笑顔を見せたのは藤高選手。ブロックされたものの、ダンクシュートを狙いに行くなど「空いたら積極的に行こうと思っていた」という気持ちが表れていた。「明日もチャンスがあればいきたいが、無理だと思ったら冷静に切り替えて違うプレーをできるようにしたい」と話す。
A東京・伊藤琢磨HCは、SR渋谷について「プレッシャーが強い。ディフェンシブスタッツ(1試合の平均失点)が低く、平均スチール数がリーグ1番」と言い、「オフェンスをどう入るかということと、アイラや広瀬、チェンバースなどフィジカルの強い選手に対してどう戦うかを考えた」と振り返った。「練習したことができたが、あまりにも上手くいき過ぎったので気持ちを引き締めていきたい」とも。
青学出身の正中岳城(しょうなか・たけき)選手は、同体育館に来たのは「たぶん卒業以来。ちょうど10年たったので、懐かしさより新鮮さの方がある」という。渋谷ダービーとなる今節は「待ち遠しかった」と言い、「渋谷はバスケにとっても特別な街。この街を一番を盛り上げないといけない」と話した。
両チームは明日19日にも同所で試合する。