渋谷区をホームタウンとする男子プロバスケチーム「サンロッカーズ渋谷(SR渋谷)」の藤高宗一郎選手が3月8日、同区立代々木山谷小学校(渋谷区代々木3)の体育授業でゲストティーチャーを務めた。
地域貢献の一環として2月の広尾小学校を皮切りに小学校での授業を行っているSR渋谷。今回は、藤高選手とマネジャーの松岡亮太さんが6年1組・2組の計58人を対象にバスケの授業を行った。同校では、東京ヤクルトスワローズの球団職員による授業など、ゲストを招いた授業を積極的に行っている。
「バスケの楽しさを共有できたら」とあいさつした藤高選手はストレッチで授業を開始。体の前でドリブルを左右にチェンジするクロスオーバーの練習では「逆の手をちゃんと構えておくとスムーズにできる」とアドバイス。シュート練習ではコツとして「(リング周辺の)四角い枠に当てること」「肘と手首をまっすぐリングに向けること」を、身ぶりを加えながら教えた。シュート対決で負けた子どもたちに好きな食べ物を聞いて「肉まん」が挙げられた際には、「大阪出身やから、めっちゃ好きやで」と答えるなど、いつも以上に関西弁も飛び出していた。
授業の最後には藤高選手と松岡さんチーム対小学生チームで試合。子どもたちは189センチの藤高選手にジャンプボールで勝とうと精いっぱいジャンプをしたり、複数で囲むディフェンスで藤高選手や松岡さんに挑んだりしていた。終盤、ジャージーを脱ぎ半袖姿になった藤高選手も巧みなドリブルやロングシュート、ダンクを決めるなど技を見せた。授業終了後は子どもたちをハイタッチで見送った。
授業中、子どもたちに目標や夢を聞いた藤高選手は「小さくても大きくてもいいので、何か一つ目標を立ててほしい。それを達成するために今自分が何をすれば到達できるのかを考えながら一日一日を大切に過ごしてもらえたら」と呼び掛けた。藤高選手は小学3年でバスケを始め、高校生のころにプロバスケ選手を志すも当時はビジョンが見えていなかったと振り返り、大学生で日本学生選抜やユニバーシアード代表に選抜されたことからプロの道が見えたという。「小さな問いから意識することで、目標を達成するスピードが速くなることを伝えたかった」と話す。
高校の教員免許を持っている藤高選手。授業中には「まず話を聞いてもらうこと」をポイントとして挙げ「(高校の教育実習では)黙って待つことをしたけど、小学生にはまだ分からないかも…」と話す。松岡さんは「(子どもたちの)中に入って同じ目線でやること。構えていてもいけないので、自分たちが楽しむことで、(子どもたちも)楽しんでくれる」とも。
小学生のころは警察官になることが夢だったという藤高選手の現在の目標は日本代表入り。「まずは(リーグで)試合に出ないといけない」と意気込む。
昨年9月に開幕したBリーグ参入に合わせて渋谷区を拠点に活動しているSR渋谷。現在20勝21敗でB1中地区3位に付けている。チーム名の由来は「『太陽(リング)を揺らす』激しいダンクを狙い打つ集団」で、チームカラーはイエロー。マスコットはSUNDY(サンディー)。青山学院記念館(大学体育館=渋谷区渋谷4)をホームアリーナにしている。