国立代々木競技場の敷地内の2.5次元ミュージカル専用劇場「AiiA 2.5 Theater Tokyo(アイア2.5シアタートーキョー)」(渋谷区神南2)で3月4日、「ミュージカル『刀剣乱舞』 ~三百年(みほとせ)の子守唄(うた)~」が開幕した。
実在の刀剣が戦士となった「刀剣男士」を収集・育成するシミュレーションゲーム「刀剣乱舞-ONLINE-」の舞台版である同作。「刀ミュ」の愛称で親しまれる同ミュージカルは2015年にトライアル公演として初演。昨年上演した2作目「幕末天狼傳」は初の海外公演も行い、厳島神社(広島県)では世界遺産登録20周年記念奉納行事として特別公演を行うなどした。
3作目となる同作は、未来を改変しようとする敵「時間遡行(そこう)軍」により殺されてしまった松平軍の重臣たちに刀剣男士が成り代わり、歴史の流れを再び取り戻すための戦いを描く。刀剣男士を演じるのは、石切丸役=崎山つばささん、にっかり青江役=荒木宏文さん、千子(せんご)村正役=太田基裕さん、蜻蛉切(とんぼぎり)役=spiさん、物吉貞宗役=横田龍儀さん、大倶利伽羅(おおくりから)役=財木琢磨さん。
同ミュージカルは、ミュージカルとライブの2部構成も特徴。今作も第2部では衣装替えをしながら、ポップなナンバーやバラード、和を感じさせる楽曲などを歌い上げる。
公演に先駆け開いた会見には刀剣男士を演じる面々と演出家・芽野イサムさんが登壇。同作のストーリーテラーともなる崎山さんは「新刀剣男士と共に力を合わせ一つになって作り上げてきたので、あとは皆さんに見ていただいて、『刀剣乱舞』がもっと盛り上がっていけば」と期待を込め、荒木さんは「僕たち自身もワクワクしているしお客さんも待ちに待った日だと思うので、その期待を裏切らないように精いっぱい務めたい」と意気込んだ。初の2.5次元ミュージカル出演となった横田さんは「緊張しているが、主さまたちにたくさん幸運を届けられるように頑張りたい」と自身の役になぞらえてコメントした。
キャラクターの役どころについて太田さんは「千子村正は妖刀と呼ばれてきた刀。他の刀にはない妖しい雰囲気や、妖艶な雰囲気、違う空気感を出せたら」と話し、その千子村正が「心配の種」である蜻蛉切を演じるspiさんは「千子村正とのイチャイチャというか、関係性が見どころ」とも。財木さんは「大倶利伽羅は慣れ合わないクールなキャラクターで表情にはあまり出さないが、動きやたたずまいなどで気持ちを表現できたら」と話した。
2部について崎山さんは「前回に引き続き、どんどん脱いでいくスタイルは変わらない」と笑いを誘いつつ、「阿津賀志山異聞はひも、新選組は扇子のパフォーマンス、われわれは何かを楽しみにしてほしい」と呼び掛けた。
芽野さんは「徳川家康の一生を描くので、刀剣男士の任務も長くて過酷なものになる。ただ、彼らと人間との交流を通して、人の優しさや悲しさがにじみ出てくるような舞台になっている。1度見ていただいたら、必ず2度3度と見たくなるような作品に仕上がっている」と自信をのぞかせた。
鑑賞料は8,800円。公演時間は1部=約2時間15分、2部=約40分(途中休憩15分)。今月26日まで。凱旋公演は4月14日~23日。