渋谷・宇田川町のミニシアター「アップリンク」(渋谷区宇田川町)で1月28日、家族をテーマにした人間ドラマ「淵に立つ」の1週間限定上映が始まった。
昨年のカンヌ国際映画祭「ある視点」部門で審査員賞を受賞し、同年10月から劇場公開されていた同作。アップリンクでは同年11月5日~今年1月13日のロングラン上映をへての凱旋(がいせん)上映となる。
郊外で金属加工工場を営む鈴木利雄(古舘寛治さん)、章江(筒井真理子さん)夫婦と、10歳の長女・蛍(篠川桃音さん)の一家。ある日、利雄の知人で最近まで服役していた八坂草太郎(浅野忠信さん)が現れる。章江は八坂に好意を抱くようになるが、八坂は突如姿を消した。行方が分からなくなってから8年後、「皮肉な巡り合わせにより」八坂の消息をつかむことになるが、利雄と章江が抱えていた秘密が明らかになる。
メガホンを取ったのは深田晃司監督。1980(昭和55)年東京出身。大学在学中に映画美学校フィクションコースに入学し、長・短編3本を自主製作。2005年には平田オリザさんが主宰する劇団「青年団」に演出部として入団。東京国際映画祭日本映画「ある視点」作品賞などを受賞した「歓待」(2011年)、18歳の女の子のひと夏体験を描いた「ほとりの朔子」(2013年)、平田さん原作の「さようなら」(2015年)などで知られる。「淵に立つ」は長編5作目となる。
同作は、キネマ旬報ベストテンで日本映画ベスト・テンで3位に入ったほか、第11回アジア・フィルム・アワードで作品賞、監督賞、主演男優賞にノミネート、第71回毎日映画コンクールで6部門にノミネートし筒井さんが女優主演賞に選ばれるなど注目を集めている。
2月3日まで。1月30日・31日は英語字幕付き上映となる。