シアター・イメージフォーラム(渋谷区渋谷2、TEL 03-5766-0114)で12月10日、「ホンマタカシ ニュードキュメンタリー映画 特集上映」が始まる。
写真家のホンマタカシさんが2002年から写真活動と平行して制作したドキュメンタリー映画を特集上映する同企画。映像の可能性を「写真と映画、映像アートの中間領域に見いだそうとする取り組み」になるという。
ホンマさんは1980年代後半からファッション雑誌や広告を中心に活動を開始。1990年代には渡英し、イギリスのカルチャー誌「i-D」などで活動。1993年の帰国後、1998年には東京郊外の風景や子どもたちを撮った「東京郊外」シリーズで木村伊兵衛写真賞を受けている。
初の長編ドキュメンタリーとなる「After 10 years」は、2004年のスマトラ沖地震の津波で甚大な被害を受けた、海に面したリゾートホテルの10周年追悼式典までの1週間を追った。当時を振り返る人たちの証言と映像で描く。
「最初にカケスがやってくる」は、2011年にホンマさん初の美術館での巡回展「ニュー・ドキュメンタリー」で発表した「trails」シリーズの続編。知床のエゾジカ猟を8年かけて取材・撮影したものを、増え続けるエゾジカや高齢化する漁師など現代の狩猟文化の問題、猟から解体、流通、食卓までを映す68分バージョンと、11日のみの上映となる血抜きのために山に放置されたエゾジカの内蔵が捕食され消えていく過程を定点観測のワンカットで捉えた225分バージョンを用意する。
演出家の飴屋法水さんとその妻コロスケさん、6歳の長女くるみちゃんが出演する舞台「教室」を定点カメラで撮った「あなたは、あたしといて幸せですか?」は青柳いづみさんを追った「女優」を、写真家・中平卓馬の日常を捉えた「きわめてよいふうけい」は追加ショットを加え、関連作品「暗室」を、それぞれ併映する。
期間中には、建築家・西沢立衛(りゅうえ)さん、明治大学・倉石信乃(しの)教授、グラフィックデザイナー長嶋りかこさんを招くトークイベントを予定する。
鑑賞料は一般1,500円ほか。今月23日まで。