青山学院記念館(大学体育館=渋谷区渋谷4)で11月26日、「サンロッカーズ渋谷」酒井泰滋(たいじ)選手の引退セレモニーが行われた。
1984(昭和59)年長崎生まれの酒井さんは2007年から、同チームに所属。2013-14シーズンにはキャプテンとしてチームをまとめ、2015-16シーズンをもって引退。今季からは同チームのチームアンバサダーとして、ファンイベントへの参加や渋谷区内でのバスケットボール教室、学校訪問などを行い、チームの認知向上やバスケの普及・強化活動に取り組むという。
セレモニーにはSR渋谷の現役選手をはじめ、岩隈隆士さんらSR渋谷のOB、同期で昨シーズンまでSR渋谷で共にプレーしていた竹内譲次選手、恩師である福岡大学付属大濠高校バスケ部の田中國明総監督らも駆け付けた。竹内選手が酒井さん役で出演したヒストリーVTRや他チームの選手からのビデオメッセージなども流れ、場内は温かい空気に包まれた。
チームを代表してメッセージを送った広瀬健太選手は「4年前サンロッカーズに来た時、同じポジションで年齢も近いのに、アドバイスしてくれたり環境を整えてくれたりと器の大きさに救われた。もっとやりたかったが、プレーで足跡を残しサンロッカーズの魂を体現してくれた」と感謝の気持ちを伝えた。今季キャプテンを務めている広瀬選手は「普段のバスケのスタイルや姿勢で見せてくれた。それを自分なりに吸収してリーダーシップをとっていきたい」とも。
酒井選手は「夢の続きが続けばと思うこともあるが、サンロッカーズでユニホームを脱げるのは誇り」とあいさつし、集まったファンたちには「どんな時も寄り添って背中を押してくれた。一度だけだが優勝の喜びを分かち合えたことは今でも鮮明に思い出せる」と思いを伝えた。
「最大の感謝は両親」と言い「長く現役を続けられたのは丈夫な体に生んでくれたから。多くの方に支えてもらい最高のバスケ人生を送れた。サンロッカーズの未来のため、明日の一勝のために寄与したい」と意欲を見せた。
同日同所では、SR渋谷と新潟アルビレックスBB(新潟)の試合が行われた。来場者数は2013人。
スロースタートとなったこの日、SR渋谷の沈黙を破ったのはアールティー・グイン選手の3ポイント(P)シュート。13対13の同点で迎えた第2クオーター(Q)もグイン選手は3Pを3本決めるなどチームをけん引し、33対29とリードして前半を折り返した。第3Qは連続ポイントで引き離しにかかるが新潟も粘りを見せ、一時は同点になるなど目が離せない展開に。最終Qで躍動したのはアイラ・ブラウン選手。10得点を挙げたほか、アシストやスチール(ディフェンス時相手からボールを奪う)などでチームに流れをつくった。細かいパス回しからチャンスをつくって得点を重ね、81対76で勝利を収めた。
SR渋谷のBTテーブスヘッドコーチは「ディフェンスを重点的にやったことも勝因の一つ。クリント・チャップマン選手とダバンテ・ガードナー選手を同時に使われるとマッチアップが難しいのでゾーンに頼るシーンもあったが、それはやりたいことの一つでもあった」と振り返った。グイン選手は「今日は特にシュートタッチの良さは感じていた。良い流れを継続できたのはチームメートのおかげ」とも。
両チームは今月27日にも同所で試合を行う。