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原宿の浮世絵専門美術館で「国芳ヒーローズ」展 「通俗水滸伝」シリーズに焦点

「通俗水滸伝豪傑百八人之一個」シリーズの武者絵が並ぶ場内

「通俗水滸伝豪傑百八人之一個」シリーズの武者絵が並ぶ場内

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 原宿の浮世絵専門「太田記念美術館」(渋谷区神宮前1、TEL 03-3403-0880)で現在、特別展「国芳ヒーローズ~水滸伝豪傑勢揃(すいこでんごうけつせいぞろい)」が開催されている。

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 幕末の浮世絵師・歌川国芳(1797年~1861年)の「通俗水滸伝豪傑百八人之一個(一個=ひとり)」(以下、通俗水滸伝)シリーズに焦点を当てた同展。

 近年展覧会で取り上げられることが多くなっている歌川は、10代のころから国芳を名乗っていたが10~20代の作品はあまり残っていないという。歌川の「最初のヒット作」が、30代となった1827年ごろ~1836年ごろに描かれた中国の小説「水滸伝」を題材にした同シリーズの武者絵。のれんや障子に描かれるほど「流行した」という。

 同展では、通俗水滸伝シリーズのほぼ全点や、歌川が手掛けた「水滸伝」に関連する作品を展示する。作品は、物語の終盤で城を攻撃する際に水門を破る、泳ぎが得意な「浪裡白跳張順(ろうりはくちょうじゅん)」などの豪傑や、パロディー化した豪傑、女性を豪傑になぞらえた美人画、子ども向けのすごろく、登場人物を日本の「英雄」に置き換えた武者絵など。

 作品では、上半身を裸にしたり馬に跨(また)がせたり、入れ墨を描くなど物語とは異なるアレンジを加えながらも、眉毛やひげなど細部描写にこだわるなど「力強さを表現する誇張も多いが、どこかでリアリティーを追求している」(主任学芸員の赤木美智さん)という。中国の小説であることから、衣装や背景などで異国の雰囲気を演出しているのも特徴の1つ。

 赤木さんは「『武者絵の国芳』の原点なので、スターになっていく国芳のスタート地点を目撃してほしい」と呼び掛ける。

 開館時間は10時30分~17時30分(入館は30分前まで)。月曜休館。入館料は、一般=1,000円、大高生=700円、中学生以下無料ほか。10月30日まで。

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