渋谷ヒカリエ(渋谷区渋谷2)と表参道ヒルズ(神宮前4)をメイン会場に10月17日、ファッションイベント「Amazon Fashion Week TOKYO 2017 S/S」が始まった。主催は日本ファッション・ウィーク推進機構(渋谷3)。
2005年に日本のファッション・ビジネスの国際競争力強化を図る目的で始まったファッションイベント「東京発 日本ファッション・ウィーク」が前身。毎年3月と10月の2回開催で、2013年春夏シーズンから渋谷ヒカリエに拠点を移し、2016年秋冬シーズンから表参道ヒルズ(神宮前4)本館地下3階「スペース・オー」も公式会場に加えた。
メルセデス・ベンツに代わり、アマゾン・ジャパン(目黒区)が冠スポンサーとなり初の開催となる今回は、国内外から43のブランドが出展する。初日のこの日はスペシャルプログラムとして、ミュージシャンYOSHIKIさん(X JAPAN)が手掛ける着物ブランド「YOSHIKIMONO(ヨシキモノ)」がショーを行った。
呉服屋の長男として育ち、かつては着物を着て生活していたというYOSHIKIさん。世界で活動する中、着物が「日本の誇れる伝統文化である」ことを実感したことから、京都の織物メーカー「スコープココ」のプロデューサー加納圭悟さん協力の下、同ブランドを立ち上げ。2011年3月の音楽とファッションのイベント「ASIA GIRLS EXPLOSION」で初披露し、昨年10月にファッション・ウィーク東京で本格的にコレクションデビューした。
YOSHIKIさんのピアノ演奏で始まったショーでは、シルバーやゴールドなど派手なカラーや、スカルなどロックな要素も取り入れた柄、透明なビニール素材を使ったアイテム、着物を洋服のように仕立てたドレスなど、21着を披露。YOSHIKIさんは途中、バイオリニスト末延麻裕子さんとコラボレーションしたほか、後半は、大量の水が降る演出の中ドラムをたたきショーに華を添えた。
ショーを終えたYOSHIKIさんは「もっと自由に着ていいというのを提案したかった」と振り返り「オーソドックスなものとソーシャルなものの両方を作った。着物は何百年前のものと思われるかもしれないが、現代に生きているということを感じてほしい。着物業界が縮小しているので、今の人たちに興味を持ってもらう上ではいいのでは」と話した。
演奏については「着物がメインなので僕らはBGMに徹しようと、いかにモデルや着物を引き立てられるかを考えて即興で演奏した。どうしてもドラムは目立ってしまうが、タムを取り入れることで和楽器(和太鼓)のようなニュアンスを出すように意識した」とも。かつて見た「アレキサンダー・マックイーンのショーが印象的だった」ことから水を降らす演出を取り入れたといい、「あんなにいっぱい降るとは思わなかった」と笑顔を見せていた。
ファッション・ウィーク東京は今月23日まで。コレクションショーは招待制が基本のため、一般は入場できないものがほとんど。