渋谷で9月19日、サーキットイベント「TOKYO CALLING(東京コーリング)2016」が初開催された。主催はTOKYO FM。
会場後方からステージまでクラウドサーフで運ばれた「忘れらんねえよ」柴田隆浩さん
1999年から大阪で開催されているサーキットイベント「ミナミホイール」に匹敵するようなサーキットイベントを目指したという「東京コーリング」。渋谷の音楽レーベル「エル・ディー・アンド・ケイ」(渋谷区渋谷1)が発起人となり、大坂の「見放題」、名古屋の「でらロックフェスティバル」、福岡の「TENJIN ONTAQ」といった各地のサーキットイベントを手掛けるメンバーが制作委員会を結成し企画。東京の「音楽の街」である下北沢・新宿・渋谷の3カ所をつなぐ3日間のイベントとして初開催。渋谷は最終の3日目となった。
会場は、1000人以上を収容する「TSUTAYA O-EAST(以下O-EAST)」(道玄坂2)をはじめ、「渋谷クラブクアトロ(以下クアトロ)」「チェルシーホテル」(以上、宇田川町)など11カ所で、国内各地から集まった113組が出演。チケット約5000枚は前売りの段階で売り切れた。
開演の12時、「俺たちの東京コーリングが始まったぜ」と口火を切ったのはO-EAST1番手、「感覚ピエロ」。4つ打ちを刻みながら「4つ打ち待って頂戴(ちょうだい)~」と歌う「A-Han!!」、男も女も関係なく「おっぱい」をコール&レスポンスしたキラーチューン「O・P・P・A・I」などで一気に観客のボルテージを上げていく。同時刻、クアトロでは「ここが一番汗かいたって言わせる自信ある」とキャッチ―なサウンドの「BREAK」、サマーソング「Fight」など疾走感のあるナンバーで「KNOCK OUT MONKEY」が熱いライブを繰り広げた。
「打首獄門同好会」が重厚なサウンドの中、「岩下の新生姜(ショウガ)」のアレンジメニューを歌う「New Gingeration」など食べ物の歌などで場内にヘッドバンギングやモッシュを巻き起こすと、大阪発ロックバンド「PAN」はメロンパンや食パンを客席に投げる「自己紹介」で観客の心をつかみ、「ギョウザ食べチャイナ」では「ギョーザ」のコール&レスポンスで会場を一つにした。
入場規制がかかる中「俺のロックンロール」など熱量の高いパフォーマンスを繰り広げた大分発ロックバンド「SiX LOUNGE」、「Around The World」「Hello Swallow」など晩夏に合うメロウなナンバーを披露した「SPiCYSOL」、観客を「ゲストボーカル」として巻き込み「Wow」をシンガロングする「君を失ってWow」に約10分かけた神戸発パンクロックバンド「セックスマシーン」、「Bong! Cafe’ au lait! Acoustic guitar!」「Crime in my mind」など休む暇なく8曲を披露した愛知発メロディックパンクバンド「ENTH」、客席でケミカルライトが振られたユニット「夏の魔物」など多彩なライブが繰り広げられた。「はいさーい」のあいさつで渋谷に沖縄の風を吹かせたのは「かりゆし58」。「アンマー」で大きな拍手が沸き起こり場内は温かい空気に包まれた。
O-EASTのトリを務めた「フレデリック」は、「終わらせないとなにもはじまんない」と歌う「OWARASE NIGHT」でライブをスタート。代表曲「オドループ」では場内の熱気は最高潮に。ベース・コーラス三原康司さんは軽やかなステップを踏みながら演奏したり、ボーカル・ギター三原健司さんは「オンリーワンダー」で「渋谷は渋谷」と歌詞を変えて歌ったりと集まった人たちを盛り上げていった。「(東京コーリング)1回目、最高の景色を作れたから世界一、宇宙一を目指して行こう」と今後に期待を込めた。
来場客らと記念撮影後、「夜の本気ダンス」ドラム鈴鹿秋斗さんの「俺全然知らないけど、来年も『東京コーリング』開催します!」宣言で約10時間のイベントに幕を閉じた。