渋谷の氏神である金王八幡宮(渋谷区渋谷3)境内の神楽殿で9月14日、BEGINらが奉納ライブを行った。
「ボトル二本とチョコレート」を出演者全員でコラボレーションした
同日始まった例大祭の一環。同バンドが例大祭に出演するのは3回目で、メンバーは拍手で迎えられる中、「ただいま~、1年ぶりに帰ってきたよ」と登場。俳優・桐谷健太さんがCM内で歌い話題を集めた楽曲で、作曲したギター島袋優さんがメインボーカルを務める「海の声」でライブをスタート。日が暮れ、ちょうちんの光でライトアップされた境内が温かい雰囲気に包まれた。
石垣島出身で上京時は「借りている土地の上を遠慮して歩いている感じがしていた」と振り返ったボーカル・比嘉栄昇さん。しかし、渋谷・百軒店のロック喫茶「B.Y.G.」(道玄坂2)でライブをするようになってからは「街が変わって見えるようになった」という。「(今日は)地元の祭りだと思って歌わせてもらっている」と渋谷への思いを語った。
現在リオデジャネイロパラリンピックが開かれていることにちなみ、ブラジルを訪れた際に作曲したという「帰郷」や「アサイーボウル」をアコーディオンやウクレレを奏でながら披露。陽気なリズムに集まった人たちも手拍子を合わせた。「残すところ1曲になりました」の宣言に会場から惜しむ声が上がると「しかしながらこの1曲が約25分のメドレーになっています」と比嘉さん。「ノンストップでいきます」と告げた後、ブラジルの音楽「マルシャ」のリズムに合わせて「バルーン」「オジー自慢のオリオンビール」「島人(しまんちゅ)ぬ宝」「笑顔のまんま」「涙そうそう」などのバンドの楽曲を、加山雄三さんの「旅人よ」、尾崎紀世彦の「また逢(あ)う日まで」などのカバー曲を交えながら歌い上げた。
この日は、渋谷区青少年吹奏楽団が「Over the Rainbow (虹の彼方に)」「涙そうそう」など4曲を披露したほか、ニューオリンズスタイルのブラスバンド「BLACK BOTTOM BRASS BAND」が「ワッショイブギ」で「ワッショイ」のコール&レスポンスで会場を盛り上げた。ライブの最後には出演者全員でBEGINの「ボトル二本とチョコレート」をコラボレーション。集まった人たちも手を上げたり振ったりして一丸となり、約1時間に及んだライブが幕を閉じた。
比嘉さんは「石垣島から見た渋谷は音楽の街。来年は渋谷区青少年吹奏楽団と一緒に音を出して、もっと盛り上げたい」と意欲を見せた。
同ライブは入場無料ということもあり、平日にもかかわらず入場開始時刻前から多くの人が列を作り、かりゆしウエア姿のBEGINファンや親子連れ、会社帰りと見られるスーツ姿の人など延べ2100人以上(主催者発表)が来場した。
例大祭期間中15日には、お笑いコンビ「かたつむり」が奉納ライブ(入場料1,800円)を行うほか、17日・18日には、東インドの古典舞踊「オリッシー」、渋谷民話、鹿児島のおはら節、シャンソン、ジャズ演奏、大道芸パントマイム、チンドン演奏、ストリートバスケパフォーマンスなどを展開。金魚すくいやヨーヨー釣り、輪投げ、綿菓子、かき氷などの縁日、ポニーやご当地キャラクターとの触れ合い企画も予定する。
例大祭は今月18日まで。最終日は、各町会のみこしが街中を練り歩き、みこし渡御(とぎょ)を行う。