表参道駅近くに8月26日、パルコの小型複合施設「BY PARCO(バイ パルコ)」(港区南青山5)がオープンした。
「UNIVERSITY」をコンセプトにした「ミツカルストア」旗艦店
今月7日に建て替えのため一時休業した渋谷パルコで、ファッションとカルチャーを組み合わせた空間を展開してきた同社。2019年に完工予定の新生・渋谷パルコにつながるラボラトリーとして、青山から新たな「パルコカルチャー」の発信を図る。
店舗は地下1階・地上2階の2フロア構成で、地階には、渋谷パルコにも出店していたパルコの自主編集セレクトショップ「MEETSCAL STORE(ミツカルストア)」のフラッグシップショップ(TEL 03-6419-7276、約20坪)を展開。地上1階には、パルコが運営するイベントスペース「BY PARCO shop&gallery(バイパルコショップアンドギャラリー)」(約10坪)と、ファッションブランド「ANREALAGE(アンリアレイジ)」の新店舗「ANREALAGE AOYAMA」(TEL 03-6805-0510、約13坪)がテナント出店する。
核となる「ミツカルストア」は「UNIVERSITY」をテーマに、白を基調とした空間に理科室を想起させるグリーンの床や什器にロッカーや図書室で使われていた机などを取り入れている。「サテライトゼミ」と称して、随所にiPadを設置。出店ブランドのアトリエなどで撮影したデザイナーのインタビュー動画などを流す。
渋谷店よりも高い年齢層の来店を見込み、30代などを意識したブランドをラインアップ。常設で取り扱うのは20ブランドで、オーガニックのコットンやリネン、日本の絹、天然草木染などを取り入れた商品づくりを行う「COSMIC WONDER」、仏「メゾン マルタン マルジェラ」のパタンナーを務めた経験を持つ小野智海さんが立ち上げた「名前のないブランド」と呼ばれる「_______」、新潟のバッグブランド「FURICO」などを新たに取り扱う。
店舗中央は、「Meets Designer」をコンセプトにクリエーターやデザイナーが滞在するポップアップコーナー「ゲストセミナー」で、2週間ごとに入れ替える。オープニング企画は、アートやデザインのディレクションなどを手掛ける作本潤也さんが「白黒」をテーマに商品を集積。イラストレーターNoritakeさん、平山昌尚さん、皮バッグブランド「SOAK」、ユニット「L PACK」によるコーヒーなど、24ブランド・組を扱う。
同店は、これまでミツカルストアで行ってきた商品開発の強化を図る「開発ラボ」の役割も担う。「製作室」と呼ぶコーナーには、デザイナーやブランドとコラボレーションした商品を集積する。
パルコ新規プランニング部の鈴木美帆さんは「取り扱いブランドは絞ったが、商品製作のストーリーなどブランドの背景を伝える取り組みを濃くできたのでは。来店いただいた方に新しい発見をしてほしい」と話す。
「アンリアレイジ」はデザイナー森永邦彦さんが2003年に立ち上げたブランド。直営2店舗目となる青山店は、商品流通と情報発信の双方に注力。日本の様式美とテクノロジーを組み合わせたという店内はモノクロで統一し、床に玉砂利を敷き詰めた屋外のような空間の中に内部屋「四季の間」を設置。壁に取り付けた瞬間調光ガラス機能を持つ「ウムガラス」は、透明と不透明が切り替わることでショーウインドーとライトボックスの役割を果たす。サウンドコーディネートはロックバンド「サカナクション」のボーカル・ギター山口一郎さんが担当。四季を感じさせる音をベースにしたアンビエント音楽で季節ごとに3種類の音楽が流れる。
同店で展開する全て同店限定商品で、シーズンごとのコレクション商品は取り扱わない。商品は、ラグジュアリー提案を行うパッチワークのオーダーメードシリーズや、紫外線に当たると色が変わる「フォトクロミック」などを活用したテクノロジーシリーズ、10年以上の商品を新たに黒く染め替えて価値の再提案を図るシリーズなど。
「バイパルコショップアンドギャラリー」は、2週間~1カ月周期でポップアップショップやギャラリー企画を展開。オープン時には、アシックス、ファッションブランド「ケイスケカンダ」、アンリアレイジの3社による期間限定店が出店。アシックスのトレーニングウエアの生地で作るスーツのようなジャケット(受注生産6万1,560円~)やスラックス(同3万5,640円)、アシックスのバスケットシューズ「ファブレ ジャパンL」を牛革で作るシューズ(同3万5,640円)などを展開するブランド「Jersey meets suits」を扱う。9月25日まで。
営業時間は11時~20時。木曜定休。