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Bunkamuraザ・ミュージアムで「ピーターラビット展」始まる 原画やスケッチなど一堂に

「ピーターラビットのおはなし」の基になった絵手紙の直筆写し

「ピーターラビットのおはなし」の基になった絵手紙の直筆写し

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 渋谷「Bunkamuraザ・ミュージアム」(渋谷区道玄坂2)で8月9日、「ピーターラビット展」が始まった。

私家版「ピーターラビットのおはなし」原画

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 絵本「ピーターラビット」シリーズの作者として知られるビアトリクス・ポターの生誕150周年を記念した初の大規模展示となる同展。英ナショナル・トラストが所蔵する作品や資料を展示し、ポターの人生に焦点を当てながら、「ピーターラビットのおはなし」の原点や絵本シリーズの世界を紹介する。

 ポターは1866年7月、英ロンドン生まれ。幼少期から動植物のスケッチを好み、1893年に自身の家庭教師の息子ノエル・ムーアに宛てた絵手紙を基に「ピーターラビットのおはなし」を自費出版。1902年に出版社から商業出版されて以降、24作を出版し、110カ国での累計発行部数は2億5000万部(日本語版は1300万部以上)に上る。晩年は少女時代に避暑地として家族と訪れて「魅了された」という湖水地方に移り住み、農場経営や自然保護活動に携わった。

 3章で構成する場内には、日本初公開作品の約150件(点)を含む208件(点)を展示する。第1章「ピーターラビットの誕生」ではポターの創作の原点を探りながら、「ピーター」の誕生ストーリーに迫る。ムーア少年に送った絵手紙の直筆写しやピーターラビットのモデルとなった、ポターが飼っていたウサギ「ピーター」の素描など。自費出版(私家)版の原画全44点のうち、挿絵には物語のテキストも併せて掲出している。

 第2章「絵本シリーズの世界」では、「りすのナトキン」、ピーターのいとこ「ベンジャミン バニー」、カエル「ジェレミー・フィッシャーどん」などの直筆原画やスケッチ、水彩画、草稿など、絵本にまつわる作品や資料を並べ、ポターが生み出した湖水地方の村や田園を舞台に動物たちが繰り広げる作品を紹介。中でも、1月~12月それぞれの日にち・曜日などと共に挿絵を描いたカレンダーのような「ピーターラビットの暦本」(1929年用)の原画は全て日本初来日となる。

 最終章はポターの人物像に迫る「ビクトリアス・ポターの人生」。ポターの肖像画やポターが描いた風景画、グリーティング・カードのほか、ポターが暮らしていた「ヒルトップ農場」のポーチや屋内を再現した一角には、ヒルトップ農場に常設展示されているウサギ形の木製人形、ポターが使っていた眼鏡や絵の具パレットなど、ポターにまつわる資料を展示。同エリアの扉には、ヒルトップ農場と同じドアノブを付けている。

 同展監修者でビアトリクス・ポターの研究をしている大東文化大学教授・河野芳英さんは、ポターの作品を「いつ見ても新鮮さを失わない」と評し、「動物の骨格などを調べ、動物が2本足で立ったらどう動くかを考え描いているのでリアリティーがある。ハッピーエンドではないところも長く続く秘訣(ひけつ)なのでは」と話す。「『リスのナトキン』で描かれるしっぽ(tail)の話(tale)などの言葉遊びや、『ベンジャミン バニー』の中ででピーターが木から地面に落ちるも土が柔らかかったおかげで大したことが無かった場面で『ハンプティ・ダンプティ』を想起させるなど、英童謡『マザー・グース』の要素も散らばせているのも面白い」とも。

 ポター自身の魅力については「婚約者が亡くなりながらも、女性の活躍が難しかった時代にヒルトップ農場土地の購入や経営、景観保護活動など、夢を諦めずに進んでいったところ」と言い、「子どもや孫と来場いただき、文章を読むのではなく、自分の感性で絵を読んで物語を追ってみるてほしい」とを呼び掛ける。

 9月4日のピーターの誕生日に合わせて、同3日・4日には、ピーターラビットの着ぐるみが来場し、来館客との記念撮影に対応する。翌5日~9日には、青い服を着用した来館客各日先着100人に、限定デザインのポストカードを進呈する。

 俳優やアーティスト、映画監督として活動するディーン・フジオカさんがナビゲーターを務めた音声ガイド(利用料520円)も用意する。

 開館時間は10時~19時(金曜・土曜は21時まで、入館は閉館の30分前まで)。入館料は、当日一般=1,400円、大・高校生=900円、中学・小学生=600円ほか。10月11日まで。

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