渋谷・神泉駅近く「裏渋谷通り」沿いのムジナ(アナグマ)肉のすき焼き専門店「むじなや」(渋谷区円山町、TEL 03-6455-0430)が7月18日、一般向けの営業を始めた。経営はエル・ディ-・アンド・ケイ(渋谷区宇田川町)。
近年シカやイノシシの肉は流通しつつあるものの、ムジナはジビエ肉としての認知度が低く、販路(提供する飲食店)が少ないため獣肉処理施設の稼働が不安定になり高コスト化しているという。同社は、ムジナのジビエ肉としての認知向上や新たな食肉需要の創出を目的に同店を開いた。
昨年、オープンに向けてクラウドファンディングで支援を募るとともに支援者向けに営業することで、安定的なニーズの確保をしてきた。支援者数は441人に上り、30~40代を中心に1年で延べ約1万人が来店。男女のグループでの来店が多く、男女比は7対3程度だったという。
2フロアの店舗面積は40平方メートル。席数は座敷などで35席。店内は和テイストの「リラックスできる空間」に仕上げた。1階カウンターにはムジナのはく製を置いている。
ムジナをはじめ、シカやイノシシ、ウサギ、ダチョウなどのジビエ肉を使ったメニューをそろえる。ムジナを使ったすき焼き(4,500円)や、「シカ節」で取っただしやシカ肉を入れるつみれ汁、シカ肉やイノシシ肉を使うコロッケ(以上500円)、わさび菜やクレソン、ベビーリーフなどジビエ肉に合わせた香味野菜をバルサミコ酢のドレッシングであえるサラダ(750円、価格は全て税別)など。客単価は5,000円~6,000円を見込む。
「ムジナはナシやブドウ、トウモロコシなど糖度の高いフルーツなどを食べているので、その肉の脂身はとても甘くヘルシー」と話す広報の岩崎柚香さん。「猟師直伝の山の幸のレシピをそのまま提供しているので、野生の動物の生きる力と命のありがたさを体感していただければ。食べていただきながら、ムジナの生態の秘話など店頭でお話ししたい」と来店を呼び掛ける。
営業時間は18時~23時30分。