シアター・イメージフォーラム(渋谷区渋谷2、TEL 03-5766-0114)で7月9日、日本酒をテーマにしたドキュメンタリー映画「カンパイ!世界が恋する日本酒」が公開される。
近年、国内外で注目を集めている日本酒。同作では、外国人として初めての杜氏(とうじ)となったイギリス人のフィリップ・ハーパーさん、日本酒ワークショップや自著などを通じて日本酒の魅力を世界に発信しているアメリカ人ジャーナリストのジョン・ゴントナーさん、1902(明治35)年創業の老舗酒蔵「南部美人」(岩手)五代目社長・久慈浩介さんの「アウトサイダー」3人の挑戦と葛藤を通し、日本酒の世界をひも解く。
メガホンを取ったのは、米ロサンゼルス在住の小西未来さん。南カリフォルニア大学映像学部卒業後に制作した短編映画「ブラインド」が、横浜フランス映画祭、アメリカン・ショートショート・フィルム・フェ スティバルで上映されている。映画「ジョゼと虎と魚たち」では、メーキング「The Diary of ジョゼと虎と魚たち」の撮影・編集・監督を担当。映画ジャーナリストとしても活動している。同作は初の長編作品となる。
「日本酒について全く知らず、日本酒に対してはずっと苦手意識を抱いていた」という小西さん。知人の紹介で久慈さんと出会ったことから日本酒のドキュメンタリー映画製作を構想したという。
小西さんは「(日本酒)業界に関してというよりも、日本酒そのものを描くことが難しかった」と振り返り、「こだわりと情熱をもった日本酒プロフェッショナルたちの姿を描くことで、観客のみなさんが鑑賞後に日本酒を飲みたい、と思ってくれる映画を目指したつもり」と話す。普段、テレビ取材を一切受け付けていない「ハーパーさんに参加してもらうことが最大の挑戦だった。ご本人はもう引き受けないと仰っているので、この映画で貴重なハーパーさんの姿をぜひ楽しんでもらいたい」とも。