渋谷パルコ・パート3(渋谷区宇田川町)3階の「パルコミュージアム」(TEL 03-3477-5873)で7月8日、イラストレーター山口はるみさんの個展「Hyper! HARUMI GALS!!」が始まった。
一時休業前を前にパルコにゆかりのアーティストによる3つの展覧会を開く「SHIBUYA PARCO MUSEUM FINAL EXHIBITIONS」の第2弾となる同展。
山口さんは島根県松江市生まれ、東京芸術大学油画科卒業。西武百貨店宣伝部デザインルーム勤務後フリーランスとなり、1969(昭和44)年にパルコの1号店・池袋店オープンと同時に同社の広告制作に参加。女性を描いた作品が多く、1972(昭和47)年からエアブラシを使って作品を制作している。
展示する約100点はほぼ全てパルコの広告に使われた作品。1970年代にエアブラシで描かれたリアルな女性たちの「HARUMI GALS」原画22点、1988(昭和63)年から1997年にかけて、「自由を求めた女たち」をテーマに国内外の実在の女性を描いた「のように」シリーズポスター70点、1970~80年代に放映された実写とイラストをくみあわせたテレビCMも上映する。
ほかにも、ファッションブランド「TOGA」のデザイナー古田泰子さん、「ステラ・マッカートニー」「エルメス」などとコラボしている仏写真家・映像作家カミーユ・ヴィヴィエさん、「ルイ・ヴィトン」「コム デ ギャルソン」などのクライアントワークで知られるシンガポールアートディレクター、テセウス・チャンさんとのコラボレーション作品も並ぶ。
場内のショップでは、作品集「HARUMI GALS」(5,184円、シルクスクリーン付き限定版1万6,200円)やオリジナルポスター(3,780円)、カプセルトイ(1回500円)などの同展オリジナル商品、「TOGA」とコラボしたポーチ(4,212円)やTシャツ(5,400円)などの記念商品を販売する。
まだパルコという施設名も決まっていないころ、パルコ初代社長の増田通二さんから声が掛かり同社の広告を手掛けるようになった山口さん。「人生の転機だった」と振り返り、当時は「女の子が自立して生き生きと生きるということをパルコで体験してほしい」という思いで広告を制作していたという。会場は「私のエネルギーが詰まっている」と言い、「辛かったな、4時間睡眠で頑張ったな、という当時のことがよみがえってくる」と話す。
期間中、チャんさん(9日)や美術評論家・椹木野衣(さわらぎ・のい)さん(16日)をゲストに迎え山口さんのトークショーを開く。
開催時間は10時~21時(最終日は18時まで、入場は閉場30分前まで)。入場料は、一般=500円、学生=400円、小学生以下無料。今月25日まで。