渋谷パルコ(渋谷区宇田川町)パート1・地下1階の「ギャラリーX」(TEL 03-6455-1660)で5月26日、アーティスト「チョーヒカル」さんの初個展「SUPER FLASH」が始まった。
1993年東京生まれで、今年3月に武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科を卒業したチョーヒカルさん。「非日常アート」をテーマに掲げて活動し、人の体をキャンバスにリアルな絵を描くボディーペインティングで注目を集め、ファッションブランドとのコラボレーションや、企業広告なども手掛けている。今回、活動の母体となる会社「スーパーフラッシュ」(中央区)設立をきっかけに、アーティストとして本格活動する第一歩として初めての個展を開いた。
ボディーペインティングの写真作品は、ロックバンドRizeやミクスチャーロックバンドDragon Ashなどで活動するベーシストKenKenさん、モデル菅野結以さん、ロックバンド「フレデリック」の双子三原健司さん(ボーカル・ギター)、康司さん(ベース・コーラス)、同バンドのMVに出演するなどしているモデル「アリスムカイデ」さんらがモデルとして参加すした新作9点を、オフショットとともに展示する。
作品は販売も行う(5万4,000円~10万8,000円、受注生産のアクリル板は1万6,200円)。会場の一角には、来場者の顔を認識して、チョーさんのボディーペイント画像を当てることでボディーペインティングを体験できるコーナーも用意する。
そのほか、しま模様の身体と赤い尾が特徴の鳥「エビスシドリ」、ピザの表面のような体色の魚「ピザウオ」、枝豆のようなガ「マメエンドウガ」など、チョーさんが考えた生物の立体作品(石粉粘土に絵の具)、資生堂のコスメティックブランド「マジョリカマジョルカ」のウェブ動画など、ボディーペインティング作品を取り入れた動画など、さまざまな作品を展示。洋服デザインやイラストはタブレットで見られるようにした。
今月28日には、菅野さん、アリスムカイデさんをゲストに招きトークイベントを開くほか、29日・6月4日にはライブペインティングを行う。
ボディーペインティングは、紙が無かった時に手の甲に描いた絵が好評だったことをきっかけに手掛けるようになったという。制作前に描くイメージを決めて資料などで調べながらデッサンも描くといい、人の身体に描くのには平均5~6時間かかるという。「紙より人肌に描く方がメッセージが伝わりやすいように感じる。見た方それぞれが自分が想像していた以上に深読みしてくれるのが面白い」という。ボディーペインティングは「自分の葛藤や気持ちを作品に落とし込んでいるので、自分ごとのように思いながら見てもらえたら」とも。
「アートを見に行く場所といえば美術館やギャラリーだが、もっとアートを身近な場所で見られるようにしたい」といい、ファッションビルであるパルコでの開催は「一歩目標に近づけたのでは」と話す。これからのアーティスト活動に「不安もある」と言うが、「面白いと思ってもらえるものがあるはず」と期待を込める。
開催時間は10時~21時。入場無料。6月7日まで。