シアター・イメージフォーラム(渋谷区渋谷2、TEL 03-5766-0114)で4月29日、映像アートの祭典「イメージフォーラム・フェスティバル2016」が開催される。
「作家性・芸術性・創造性の高い」映像作品を世界中から集めて上映する同フェス。1973(昭和48)年~1985(昭和60)年にわたって開催されていた「アンダーグラウンド・シネマ新作展」「実験映画祭」を前身に、1987(昭和62)年に始まり30回目を迎える。同所を皮切りに、名古屋や京都、福岡などに巡回する。
上映作品は176本。プログラムは、2回の審査をへて選ばれた公募作品を上映し期間中に、最終審査を行い5月5日に大賞などを選出する「一般公募部門<ジャパン・トゥモロウ>」、日本の「第一線で活躍する」アーティストの新作を上映する「日本招待部門<ニューフィルム・ジャパン>」、国内未発表の作品を中心とした海外の作品を上映する「海外招待部門<ニューフィルム・インターナショナル>」。特集として、過去の公募部門の受賞作を中心に同フェスの30年を振り返る「ユニーク・エンカウンターズ」も企画した。
「ニューフィルム・ジャパン」は、人型ロボット「Pepper」が昭和天皇による玉音放送を音読する場面などが登場する「日々”hibi”AUG[2008-2015]≪天皇考≫」(前田真二郎さん)、PCのキャプチャー画面をアニメ―とした「Finder」(佐藤義尚さん)、個人で映像を作る意味を問い続けている「かわなかのぶひろ」さんの「寺山修司を揺り起こせ」、田名網敬一さんの新作アニメーション「笑う蜘蛛(クモ)」など、32作品とインスタレーション2作品で構成する。
「ニューフィルム・インターナショナル」には72作品をラインアップ。英クラブカルチャー・シーンをとらえたビデオ「フィオルッチ・メイド・ミー・ハードコア」(マーク・レッキーさん)、米高校の課外授業にインスピレーションを受けた32幕の「デイ・イズ・ダン」(マイク・ケリーさん)、米アーティストが日本・中国・台湾のナショナリストたちと尖閣諸島へ向かったドキュメンタリー「ナショナリストになる方法」(ジェームス・T・ホンさん)など。ダダイズムの誕生から100年を記念し16ミリプリントで36本の短編映画を上映する「ダダ100年:フルックス・フィルム」には、オノ・ヨーコさんの作品も名を連ねている。
「ジャパン・トゥモロウ」では集まった405作品の中から最終ノミネートされた14作品を、「ユニーク・エンカウンターズ」では38作品を、それぞれ上映する。
鑑賞料は、シアター・イメージフォーラム=1回券1,200円、4回券3,200円、フリーパス8,000円ほか、イメージフォーラム・シネマテーク=1回券600円。5月6日まで。