恵比寿ガーデンプレイス(渋谷区恵比寿4)内のミニシアター「YEBISU GARDEN CINEMA」で4月16日から、ノルウェー発ヒューマンドラマ「ハロルドが笑うその日まで」が公開される。
小さな家具屋の店主と、実名で登場する世界規模の家具販売店「IKEA(イケア)」の創業者の交流をユーモラスに描いた同作。「ノルウェーのアカデミー賞」と呼ばれるアマンダ賞で最優秀男優賞と最優秀撮影賞を受賞した。
ノルウェーでこだわりの商品を扱う家具店を40年以上営んでいるハロルド(ビョルン・スンクェストさん)。ある日、店の隣にイケア北欧最大規模の店舗がオープンしたことを機にハロルドの店は閉店に追い込まれ、妻も亡くなり、自暴自棄になってしまう。復讐(ふくしゅう)のため、ハロルドはイケアの創業者イングヴァル・カンプラード(ビヨルン・グラナートさん)を誘拐し、道中で出会った少女エバ(ファンニ・ケッテルさん)を巻き込みながらイケア1号店があるスウェーデン・エルンムフルトを目指すというストーリー。
存命するカンプラードさんに似ている俳優を起用し、カンプラードさんにまつわるエピソードや実際の報道内容を映画の中で紹介していることに加え、イケア店舗の外観や店内でも撮影していることから、試写を見た映画評論家からは「よくイケアが製作を許可したものだ」と驚かれたという。配給元によると、イケアは「私たちは家具を作り売るのが仕事で、君たちは映画を作り公開するのが仕事。それぞれがそれぞれのベストを尽くせばいい」と撮影を許可したという。
メガホンを取ったのは1966年ノルウェー生まれのグンナル・ヴィケネ監督。1993年からドキュメンタリー作品や短編映画、ミュージックビデオ、100本以上のコマーシャルを手掛け、2006年に監督したファミリー映画「Trigger」がベルリン国際映画祭に正式招待されるなどしている。同作は4作目の監督作品。