京都造形芸術大学・東北芸術工科大学外苑キャンパス(港区北青山1)で3月23日、「本のフェス」が初開催される。主催は、博報堂(港区)の有志で構成する実行委員会と読売新聞社(千代田区)。
読書人口が減っていることから「本を楽しむ人を増やしたい」という思いで企画した同イベント。普段あまり本を読まない人が、音楽フェスティバルのようにフェスの雰囲気を求めて集まり、結果的に「本もいいかも」と思えるようなイベントを目指した。
若者が参加しやすく、「フェスに欠かせない」緑地があることや、村上春樹さんが「小説家になると決めた地」という明治神宮野球場が近いことから同エリアでの開催を決め、初開催である今回は「本の文化祭」のようなイメージで大学という場所を選んだ。
場内には、「もし自分の店で10冊だけ本を売るなら」をテーマに国内各地の書店が選書した本が並ぶ「百貨店の本屋祭」、移動式本棚「BOOK ROUTE」、本とビールの出張販売する下北沢の書店「B&B」、「居酒屋」「おやつ」などをテーマに合わせた食と本を提案する「食堂いか文庫」などが出店するほか、編集者・作家・書店員らが駅弁売りのかごを持って場内を回遊し本を販売。回りを全て本で囲む1人用読書空間「厨子本棚」も用意する。
当日はイベントも開催。「ホームレス中学生」の著者でお笑いコンビ「麒麟(きりん)」の田村裕さんをナビゲーターに迎え、「次世代の読書芸人」をテーマに展開する若手芸人のトークライブ、「伝え方が9割」の著者・佐々木圭一さんなど著者自身による本のPR、アイドルグループ「でんぱ組.incの夢眠ねむさんを迎える直木賞作家・道尾秀介さんの「笑うハーレキン」刊行記念トークショー、ショートショート(短編小説)作家・田丸雅智さんの出張授業などを予定。
発起人の青木健祥さんは「今回はパイロット版になるので、出展者・来場者含めて本の周りにいる人たちが楽しめるイベントになれば。その楽しさが外側へオープンに広がることで、普段本を読む機会が少ない人も、『本もいいかも』と思えるイベントにしたい」と意欲を見せる。今後は、代々木公園など神宮外苑などの野外で年に1回の定期開催を視野に入れている。
開催時間は13時~20時。入場無料(一部出店・イベントは有料で事前予約制)。