国立代々木競技場の敷地内の2.5次元ミュージカル専用劇場「AiiA 2.5 Theater Tokyo(アイア2.5シアタートーキョー)」(渋谷区神南2)で2月16日、手塚治虫著「ぼくの孫悟空」を原作にした舞台「GOKU」が開幕した。
中国の小説「西遊記」をモチーフにした同作。花果山の石から生まれた孫悟空が、500年閉じ込められていた岩山から助けてくれた三蔵法師や旅の途中で出会った猪八戒、沙悟浄とともに天竺を目指す物語。牛魔王をはじめとする敵との戦い、仲たがいなどをしながら「家族」や「本当の強さ」を知っていく。
出演するのは、孫悟空を演じるエアーバンド「ゴールデンボンバー」の喜矢武豊(キャン・ユタカ)さんをはじめ、玄奘三蔵役=月船さららさん、猪八戒役=みのすけさん、沙悟浄役=土屋佑壱さん、紅孩児役=佐々木喜英さん、羅刹女役=大沢逸美さん、牛魔王役=西岡徳馬さんなど。脚本・演出は児玉明子さんが手掛けた。コミカルな演技やアクロバットな動き、映像や光を駆使した演出などが盛り込まれている。
公演を前に場内で会見を開いた。喜矢武さんは、細かくアドバイスを受けたという西岡さんから学んだことは「基本は下ネタ」と笑いを誘ったほか、「役作りのために約1カ月猿軍団に入団した」「せりふは『ウキー』しかない」など冗談を連発。喜矢武さんを「運動神経が良く吸収力がすごい」と絶賛したみのすけさんも、体形から自身の役を「妊婦役…」とボケるなど和気あいあいとした雰囲気を醸し出していた。
土屋さんやみのすけさんに「天才」「完ぺき主義」と称された佐々木さんが「映像を使った立ち回りがたくさんある」と見どころを話すと、西岡さんは「ライバルの2人(=喜矢武さんと佐々木さん)が引っ張り合っている」といい、自身は「日替わりのネタもあるので毎日考えるのが大変だが、楽しんでもらえたら」と話した。「20年ぶりに殺陣をやった」という大沢さんは「テーマの一つである『家族』を私たち(=西岡さんや佐々木さん)でも描いている」とも。
「お子さんから年配の方まで間口の広いエンターテインメント」(土屋さん)という同公演。喜矢武さんは「何も知らない悟空が愛を知って変わっていく姿…今年は申(さる)年なので験担ぎに見に来てもらえたら」と来場を呼び掛ける。
鑑賞料は8,500円。公演時間は約2時間15分(途中休憩15分)。今月28日まで。