恵比寿ガーデンプレイス(目黒区)内「ザ・ガーデンホール」などで2016年2月11日から、「第8回恵比寿映像祭『動いている庭』」が開催される。
同祭は2009年にスタートしたアートと映像のフェスティバルで、東京都と東京都歴史文化財団が芸術文化団体やアートNPOなどと協力して実施する「東京文化発信プロジェクト」事業の一環。これまで東京都写真美術館(同)を中心に展開してきたが、同館が現在改装中であることから、ザ・ガーデンホールや日仏会館、昨年3月に復活した恵比寿ガーデンシネマなど複数会場で展開する。
今年のテーマは、仏思想家・庭師のジル・クレマンさんが見いだした「人と庭のあり方」に着想を得た「動いている庭」。文字通りの自然や都市環境、ネットワーク社会などの現代社会を日々変容する庭と捉え直し、映像作品やメディアを通じて表現することで、自然とともに作り上げていく世界像を考察する足掛かりにするという。同祭では、クレマンさんの思想や活動もパネルで紹介する。
出品作家は73組(予定)。展示プログラムには、科学者やエンジニアと協働して「霧の作品」を発表してきた中谷芙二子さんや現代美術家クワクボリョウタさん、インターネットアートなどを手掛ける2人組JODI、中国の若手アーティスト、ジョウ・タオさん、イギリスを中心に活動するイラク出身のジャナーン・アル=アーニさんや、トロント国際映画祭で賞を受賞した映像作品なども手掛けるマレーシアのクリス・チョン・チャン・フィさんなどが参加。
上映プログラムでは、昨年10月に亡くなったベルギー出身の映画監督シャンタル・アケルマンの遺作「No Home Movie」、クレマンさんのドキュメンタリー「動いている庭」をジャパンプレミア上映。米映像作家ベン・ラッセルさんの三部作上映や一夜限りの映像パフォーマンスなども予定。そのほか、ライブイベントやシンポジウム、参加作家を招いたトーク、恵比寿地域に点在する文化施設やギャラリーが参画する地域連携なども予定する。
開催時間は10時~20時(最終日は18時まで)。入場無料(上映プログラムなど一部コンテンツは有料)。2月20日まで。