ラフォーレ原宿(渋谷区神宮前1)6階・ラフォーレミュージアムで現在、シャンデリアアーティスト、キム・ソンヘさんの大型個展「トロフィー」が開催されている。
木村カエラさん・JIROさんとコラボしたインスタレーション作品
ぬいぐるみやアメリカン・トイなどをコラージュしてシャンデリアを作るアーティストとして知られるキムさん。織田デザイン専門学校を卒業後、ファッションに携わる仕事をしている中で、舞台や照明(シャンデリア)を手作りするコレクションショーの演出担当者に出会ったことをきっかけに、シャンデリア作りを始めた。2005年にセレクトショップ「ラブレス」で展示した作品が注目を集め、アーティストやファッションブランドなどとのコラボレーション、ショップ空間のディスプレーなどを手掛けている。
創作活動開始10年を記念した同展は、新作と代表作25点を展示。ビームスやステューシー・ウーマン、ニールズヤード レメディーズ、オニツカタイガーなどのブランドとのコラボ作品、寺山修司オマージュ作品などのシャンデリア作品、ぬいぐるみで作ったラグマット、キムさんのアトリエをイメージしたインスタレーション「Kim’s Room」などを展示する。
同展に向けて制作したという高さ約2メートルの「MEDETAI Chandelier」は、来場した人たちに「幸せになってほしい」という思いで熊手やタイの飾りなどをコラージュ。周りには、母校から借りてきたというアジア人の石こう胸像やキムさんが学生時代にもらったトロフィーなども並べる。展覧会の約2週間前に制作が決まったという「Queen of A Teddy Bear」は、歌手の木村カエラさんと特殊メークアーティストJIROさんとのコラボインスタレーション作品。
新たな試みとして、キムさんが通った朝鮮学校でシャンデリア作品を写りこませつつ撮影した写真も展示。「日本生まれ・育ちだけど国籍は韓国。自分のルーツを表現したいと思った」と話す。
場内に展示する写真など「新しいことをやりたいと考えていて、その足がかりになれば」という思いから、10周年を機に大規模な展覧会を開いた。ファッションが好きで学生時代から「原宿に通っていた」というキムさんは、かねて同館での展覧会開催を希望していたという。
「好きなものを規則性なく自由に作っている」と言い、「(作品を見て)こんな作品でもラフォーレ原宿で展覧会ができるんだ、自分でも作れるかもと思ってもらいたい。不安に思わずやりたいことをやってみるきっかけになれば」と話す。今後は「ゲリラ的に作品を街中で置いてみたい」と意欲を見せる。
会場では初の作品集「Trophy」(4,320円、ミニ熊手付きの特別版1万800円)などを販売する。
開催時間は10時~21時(入場は閉場30分前まで)。入場無料。11月15日まで。